それにしても救命センター時代に頭部外傷は嫌というほど診療した。急性期にCTを撮ったほうがよいであろうcriteriaは①脳震盪があった ②高齢者である ③普段大酒を飲む ④抗凝固薬、抗血小板薬服用中である ⑤肝疾患がある などである。 とりあえず今回の患者さんは①はあったかどうか本人はっきりしない。まあそりゃそうである。意識を自分が失ったかどうかは横で見ていた第三者でないとわからない。一瞬のめまい発作でも数分の脳震盪でも1時間の意識障害でも、その間の時間経過は本人はわからないのである。さてそしてこの患者さんは④を内服していた。やはりこの薬の内服は些細なことで出血性合併症を起すようである。紹介先の病院から紹介状の返事が来た。経過観察入院し問題なければ1~2日で退院とのことであった。よかった。でも受傷時の様子がわからないとこちらも困るのである。