昔、大学時代の試験問題でこの先天性風疹症候群に関する「ひっかけ問題」があった。「先天性風疹症候群は、発熱と躯幹にはじまる淡紅色の皮疹を特徴とする」という設問である。これは×である。「風疹とは?」と設問にあれば正しいが、「先天性風疹症候群」は前述の通り、母体の病気ではなく、妊娠中の胎児の病気であるため胎児に皮疹などはない。実は自分はもののみごとにこの引っ掛けに嵌ったのである。だから今でも「先天性風疹症候群」という病名を聞くと、この時のことを思い出していやな思いになるのである。当時の試験問題作成者はどのようなつもりでこの問題を出題したかは知る由もない。しかしながら、今でも自分はトラウマながらこのことを覚えている。ということは知識の刷り込みと保持を目的とした教育論的技法からみれば、極めて「成功した」出題形式といえるのかもしれない。癪であるが。