今年は梅雨明けが早く雨らしい雨もなかった。おかげでダムの貯水率が50%前後と、これから夏本番が始まろうとしている時期には、とても少ない状態であり憂鬱である。大昔、都民の水がめは多摩川水系の小河内ダムだけであった。小学生の頃のある夏、ものすごい渇水で断水が続いた。給水車が都内にでてはバケツで水をもらいに行く姿が報道された。また毎日のようにダムの乾いて干からびた湖底がTVで映されては子供心に水不足はこんなにも辛いものであると刷り込まれた。おまけに小学校では節水標語まで作らされた。「水を大事に使いましょう」とか「蛇口の栓はシッカリ閉めましょう」なんていうのは生易しいほうで、確か表彰されたような標語に「水の一滴、血の一滴」などという派手なものもあった。いかにも「欲しがりません勝つまでは」的な切羽詰った標語であり、今でも自分が覚えているほどのインパクトであった。あの頃と比べても水道使用量は格段に増えているだろう。またあの時の辛い夏が再来するかもしれないと思うと早い梅雨明けは恐怖なのである。