吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

感染性胃腸炎について(再)

2013年12月14日 06時15分29秒 | インポート

 大学時代はHIV/AIDS・結核対策委員なるものを仰せつかっていた。何のことはない、大学の中でこれら疾患の発見率が高いのが、呼吸器内科と自分のいた救命センターだったからである。結核は空気感染なので本来であれば飛まつ感染である感染性胃腸炎よりも感染性は強いことになる。つまり空気を吸って感染するものである。しかし自分の印象としては飛まつ感染である感染性胃腸炎のほうが感染性や伝播力は強いような印象である。結核は狭く締め切った室内で、咳を持続的にしている感染者と長い時間同居していれば感染する。しかし感染性胃腸炎とおもわれる症状の患者さんに聞いてもどうもいつ感染の機会があったかわからないことが多いのである。たとえば「幼稚園に通ううちの息子が下痢をしていてそれの片づけをした」などといえば、「ああ感染はこれですね」といえるのだが、結構「いや?、家族にも会社にも下痢や嘔吐した人はいませんでしたよ」といわれるとどこで感染したのか推測不能になるのだ。もしかしたら会社でほかの人が下痢しても「私、下痢しました」と社内に申告しないものだから、不特定多数が使用するトイレで感染したんだろうなあとも思うのだが・・・。