吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

感染性胃腸炎について(再)その2

2013年12月16日 06時56分50秒 | インポート

 症状をお聞きするといくつか特徴的なことがわかる。感染性胃腸炎の場合下痢の前に、胃部不快感や嘔気や嘔吐がみられることが多い。そして同時に、本人は気が付かない程度の微熱から、時に高熱がみられる。そしてこの際、極度の倦怠感(体のだるさ)も随伴しうる。この発熱や倦怠感は実は、こらだの中でウイルスが増殖している状態なのである。だからこの症状は、ノロやロタのような感染性胃腸炎のみならず、インフルエンザの初期や風邪の初期や、はたまた急性肝炎、HIV感染などのウイルス性疾患において、ウイルスが体内に入り込んできた当初に共通してみられる症状なのである。これは血中にウイルスが増殖し、それが体内に循環している状態である。中にはほかに症状なく倦怠感のみを訴えてくる患者さんも多い。したがって他に身体所見がなければ、この時点において診断は難しいのである。でも、患者さんからは「先生、いったい(自分の病気は)なんですか?)」と聞かれるので「様子見ましょう」という常套句を使うことになる・・・。