さて正解は「生体外に存在するウイルスは増殖しない」のである。ウイルスは細菌と異なりミトコンドリアを持たない。そのため外界の発育環境を整えてあげてもウイルスは自己増殖しないのである。細菌はその点で異なり温度、栄養、湿度、環境のPHなどについて至適な状態をたもてば、外界でも増殖していくのである。たとえば高温、多湿環境では細菌の増殖に適しているためよく食中毒がおこりやすい。なので食品は低温、低湿度の冷蔵庫で保存する。そうすれば雑菌の繁殖速度は遅くなり一定期間保存がきく。また漬物は、塩分濃度の濃い環境下に置いておけば、細菌が発育する環境ではないため細菌が繁殖せずに保存ができるのである(注:塩分濃度3%でも繁殖する細菌もあるが)。しかしこれは細菌においての話であって、ウイルスは外界にあるだけでは自己増殖しない。ウイルスはどこかの生体に入り込んで他人の「コピー機」を勝手に利用して増殖するのである。なのでこの芸能人医師のいう「パンについたウイルスは時間がたてば数がふえて・・・」なんてことはあり得ないのである。きっとあとで誰かに指摘され「しまった」と思っているだろう。残念である。<o:p></o:p>