吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

航空身体検査医 その3

2015年04月17日 06時18分56秒 | 日記
 「心身症」とは器質的身体的異常がないにもかかわらず、例えば頭痛、耳鳴り、腹痛、胸痛などいろいろな不定愁訴を訴えるものである。しかし精神に異常をきたすようなものではない。心身症は、そのネーミング自体がいかにも「精神疾患の一歩手前」のような軽めな印象がある。この病名にしたのは医者の誤診なのか、あるいは会社側が知っていてわざと本当の病名を隠ぺいしようとしたのかのどちらかである。しかし実際は「分裂病」(当時の病名)(現在では「統合失調症」)であったのである。この日航のK機長の「逆噴射事件」(と当時つけられた一般的呼称を記すが)、これで一挙にパイロットの健康管理が厳しくなったと聴いた。さてその「逆噴射事件」から15年後くらいになって、自分も大学病院で標記の航空身体検査医なる資格をとらされるはめになった。救命センターに勤務しているにもかかわらず自分のところにその役が回ってきたのはまったくの偶然だったのである。