杉山さんは言っていた。過去に何かの解説をしている最中「大相撲とは何か」について語っていた時のことである。 「・・・そうじゃないんです、大相撲は格闘技という範疇のものではないんです。大相撲は神事であり、唯一無二で比較するものがありません。相撲という様式の中で決められた約束事を守ることが大相撲なのです。格闘技の要素はありますが、それがすべてではありません」と言っていた。明確な解説である。昔から大相撲にはいろいろな儀式やしきたりや様式がありそれを踏襲することが大相撲であり、格闘技であるという要素はその中の一つにすぎない。つまり勝てばいいのではない。特に横綱は「別格」であり「実力、品格抜群」という資格要件があり、その役を演ずることができなくなれば引退なのである。