吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「生兵法はケガの元」

2008年04月11日 08時07分46秒 | インポート

 昔、専門家でないものが手を出すと大事に至るという戒めがあった。この感覚はつい10年位前の日本でも一般人の感覚であった。例えば応急手当なども「素人が手出しするよりも専門家(救急隊など)が到着するまで傷病者には触らないほうがよい」などとまことしやかに言われていた。ところが居合わせた人がアクションを起こさない限り助からないということがようやく理解され始めてきて、放置されたら助からなった人もようやく社会復帰できるような素地ができてきた。愛知万博や東京マラソンでの心肺停止からの社会復帰は記憶に新しい。


衆人環視

2008年04月10日 06時58分31秒 | インポート

 プロスポーツの現場で事故がおこると、観客やらTV中継やらの衆人環視の中で処置が行われる。それだけにその事故に対して適切な処置であったが評価されることになる。例えば、頚の骨の骨折では、頚を固定しないで搬送すると、永続的な四肢麻痺の原因ともなる。米国では何億円ものプレーヤーが復帰できなくなったとして救護者や関係者が訴えられるとも聞いた。大昔、米国のバレーボールのハイマン選手が日本での試合中、心肺停止に陥った。しかしなんら関係者が応急手当をしなかったことが世界に放映されて随分非難を受けた。


バックボード

2008年04月09日 06時51分29秒 | インポート

 外傷の現場では脊髄損傷などがあった場合、首から下が永続的に麻痺することもあるため、大事故においては状態を悪化させないように頭頚部を含めて全身をボード上に固定して搬送することがすすめられている。米国ではアメフトや野球の試合などの事故でネックカラーとバックボードが時々テレビ放映に写ることもある。ヤクルトからドジャースにいった石井投手が頭にボールを受けて倒れたときも、このボード上に全身固定されたのを覚えている。


救命士関係の疑問

2008年04月08日 07時53分45秒 | インポート

 救命士の業務内容では、例えば骨折で足がひん曲がっていたとしても、「整復」してもとに戻してはいけないといわれている。整復が医療行為だからだそうだ。だから不自然に曲がっているそのままの状態で固定して搬送するから、時に現場で倒れていた姿勢そのままで固定されて病院にくることもある。例えば現場で横向きに倒れていたなら「横向き固定」、うつぶせに倒れていたら「うつぶせ固定」といった感じである。不自然さは拭えない。


国試解説その3

2008年04月07日 07時28分31秒 | インポート

 心肺蘇生法は昔から世界的には厳密に乳児(生後1歳未満)とそれ以上の幼児~学童(1歳以~8歳未満)のやり方が異なっていた。しかしながら過去の問題であるが、乳児と幼児を一緒にして「乳幼児に対する心肺蘇生法について・・・」という設問が出されることがよくあった。これは出題者の意図は、たぶん「小さい子供」と言うつもりで出したのであろうが、1歳未満と以上の間でラインが引かれていることうことを知らなかったのであろう。2000年に心肺蘇生法の国際ガイドラインが著されてからようやく国内の混乱もおさまってきた。ふぅ~・・・。


国試解説その2

2008年04月05日 07時28分08秒 | インポート

 救命士国家試験の解説を続けていると、出題者の意図が見えないことがよくある。はっきり言えば勉強不足の出題である。医師が行うのと同様の業務ができるわけではない。何ができて、何をしてはならないかの法規を知らずに作成されたような問題も過去かなりあった。そのような問題も解説せねばならず、昔、過激な同僚の解説者は「このような不適当問題は出題者の見識を問う」と辛抱たまらず解説に書いてしまった。そうしたら翌年から彼には解説の仕事はこなくなったようだ。過激な表現はしないが自分も同じ思いである。


救命士国試解説

2008年04月04日 07時34分20秒 | インポート

 平成4年救急救命士が誕生して以来、3年間常勤で、以後は大学病院勤務のかたわら、ずっと養成所で教鞭をとっていた。しかしクリニック開業のために昨年8月でここの養成所を退職した。養成所時代はずっと国家試験問題の解説集の執筆も続けていたが、クリニックを開業して半年たっておどろいた。実は今年も試験問題の解説の仕事がきたので回答を作りはじめたが、救急医学の言葉(専門用語)が出てこない。今まで15年も続けていたが、わずか半年はなれただけでスイッチが完全にオフになっているようだ。早い話が忘れている。もしかして認知症のはじまりかも・・・? 自分は日本一長く救命士養成所で継続して教鞭をとっているという自負があったが、まったく意味のないものであったようだ。 あ~あ。


半年経過

2008年04月03日 07時26分45秒 | インポート

 クリニック開業して半年が経過しました。まだまだ損益分岐点までいっていませんが、少しずつ患者さんも徐々に増えてきています。これもひとえにスタッフのおかげと、先代の人柄によるものでしょう。今も時々「昔、吉田外科に通っていた」という方が新患で訪れます。何につけ二代目は比較されることもあり、ありがたいことでもありますが、結構いろいろやりにくい面もあります。まだまだ見るもの聞くもの新しいことばかりですので毎日が勉強です。大学勤務医のころより仕事の内容が複雑多岐になりました。


BLS

2008年04月02日 07時22分16秒 | インポート

 中国への合宿にいってプールで亡くなった某体育大学学生の話題を先日テレビでみた。ここの大学理事長がインタビューされてコメントをしていたが、この手のテレビインタビューは曲者で20秒くらいで1コメントにしないと、あとでカット、編集されて自分の意が曲解されるおそれがある。しかし「応急手当はきちんとしましたか?」の問いに「ハイ、まず十分に水が胃にないのを確認し、脈がないこともきちんと確認してから・・・」といってましたが、これは誤解です。万が一溺水だとしても、昔からCPRをする前に「胃内の水の有無を確認」なんてことは勧められていません。最近ではCPR開始の遅れが救命率低下につながるので、脈などみないでCPRを開始しなさいと言われているくらいです。テレビのコメントはとっても怖いです。あの発言は突っ込まれたらアウトです。


食べても太らない?

2008年04月01日 08時38分07秒 | インポート

 まあ、この飽食・メタボ時代にこんな都合のいい身体だったらいいのですが、そんなことはありません。テレビでは最近、大食いをするギャルの格好をした痩せた女の子が出ています。テレビで見ていてもおそらくは60008000kcalは一気に食べています。これが全部吸収されたらカロリー過多ですので具合が悪くなるか、あるいはアメリカ人などでよくみる肥満で家の外に出られなくなった人になってしまいます。ところが彼女の体はガリガリですので、これは確実に消化吸収される前に外に出しているはずです。出すとしたら上か下かですが、手っ取り早いのはすぐに吐き出したほうが楽です。別に吐き出すことは悪いことではなく、このようなイベントの後では健康にいいので吐き出していることを隠す必要はないでしょう。あれほど大量に食べることができるというだけで立派な芸なんですから。でもあの子はいくら食べても辛そうな顔をせず、最後まで幸せそうな笑顔で美味しそうに食べるのがいいですね。