「命名」
完成度の高い憂鬱が忍び寄ると
街の午後は薄茶色の湿気に満たされた
だからというわけでもなく
欺かれた午睡の夢を掴み取って
鳩たちはちりぢりに飛ぶ
強い言葉を
例えば屈辱といったようなそれだが
街路樹の根方にそっと置く
風が垂直に吹くのを見たあとでは
ベリーダンスの捩れは少し儚い
暗いというわけではないのだから
いや例えそれが暗くともだが
それらはいとおしいものに違いないのだ
もはや虚妄などといってはならない
もう来てしまっているのだから
名付けることだけが残されているのだ
<今週の川柳もどき> 06.9.24
別荘を雛壇候補拝んでる
(安倍氏別荘で人事構想)
復党を再チャレンジとまず許す
(郵政反対派復党か?)
出張で椅子がなくなるクーデター
(タイ。帰国したら席がない)
テロ防ぐはずがテロより死者を増す
(米軍戦死者9・11を上回る)
古里は過疎が進んで水清し
(国交省河川の水質発表)
酒あおり士気を高める自衛隊
(広島。無免許飲酒で事故)
腸チフス米軍よりも強かった
(ビンラディン病死説?)
押収で太子果たせぬ再デビュー
(旧一万円札の偽物)