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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

おいしい一日 碧南市 「一灯」にて

2016-06-07 17:30:56 | グルメ
 キリンビールの元名古屋支店長高杉さん(定年退職され、現在は大阪にお住まい)とは、ほぼ10年ほど前、そのお得意先の飲食店のルポ記事を書くためのライターとして起用していただいて、2年余ほどご一緒させていただき、その後もSNSなどで交流が続いている仲である。
 その高杉さんが、名古屋へお越しになり、旧知の料理人が碧南で新たに展開された日本料理のお店にお出かけになるとのことで、同行させていただくことになった。
 久々の名鉄電車で、名古屋で落ち合い、碧南の目指すお店へ。

     

 「小袢天はなれ 一灯」というのがそのお店。
 「小袢天」というのは大正9年(1920年)創業というから、まもなく100年になろうという老舗中の老舗の日本料理店。その支店格がこの「一灯」。ただし、後述するように、ただ店を広げたという支店ではなく、独自のコンセプトをもったお店である。

  
 
 オーナーシェフは、知る人ぞ知る東京の料亭「つきぢ田村」で数年の修行の後、さらにいろいろ研鑽を積まれ、現在は本店の「小袢天」を弟さんに任せ、こじんまりとした佇まいながらこの「一灯」で、ご自分らしい料理を提供していらっしゃる長田勇久さんである。
 長田さんは自分のお店以外にも広く活躍の場をもっていて、「南三河食文化研究会」の開催や、自分の出身大学での「愛知の食」をテーマにしたオープン・カレッジの講師をつとめるかたわら、大阪の辻調理師専門学校の特別講師をしたりもしている。

  

 長田さんと高杉さんのご縁は、長田さんらが立ち上げた郷土愛知の野菜を見なおそうという企画に、高杉さん在職当時のキリンビール名古屋支店が協賛したことにはじまり、以来、高杉さんが退職されてからも互いに行き来されるなど、その交わりは深く長い。
 その仲に私も飛び入りで参加させていただいたわけである。しかも、美味しい昼会席付きで。

  

 先にみた長田さんのコンセプトであるが、それは上にみた地の野菜を大切にという企画などに見られるように、郷土の産物と自分の生み出す料理との有機的な結びつきである。
 それらは、野菜を始め、海産物から酒類、調味料とじつに多岐にわたり、それら生産者との人脈も多彩である。いちいち書ききれないので、興味のある方は以下のページをご覧いただきたい。
   http://www.katch.ne.jp/~kobanten/kobanten08.html

           

 いただいた各料理については、私が写してきた写真と、当日の献立を見ていただきたいが、そのすべての料理に、長田さんのコンセプトが生かされていて、それがその確かな腕を通じて誰もが納得をする絶妙な味わいを醸し出している。
 器やそれへの盛り付けも、奇をてらった派手さはないが、それが落ち着いた雰囲気で味へのイントロを損ねることなく、料理そのものの確かな存在感を表現している。

    

 それらの料理を、高杉さんと長田さんの気の合った会話に、私自身も時折、口を挟ませていただくなかで賞味した昼のひとときは、近年になく、おいしくも楽しいひと時であった。
 長田さん、高杉さん、ありがとうございました。
 そして、ご馳走さまでした。





コメント
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