六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

雪! 天がつかわしたこの優雅のものよ!

2017-02-12 02:12:32 | 日記
 かつては雪が積もると何やらワクワクしたものだ。この平板な日常に、異形のものが差し込まれたようだった。遠い少年の日のことだ。

          

 今も目覚めて、一面の銀世界を見ると美しいと思い、すこしときめくものもある。
 しかし、次の瞬間、今日は出かける日なのに難儀なことだなぁ、と思ってしまう。
 ようするに美意識よりも機能性のほうが優先するのだ。

          

 そんな私を、芭蕉の句は叱責しているようだ。風雅というのはこうでなくっちゃぁ。

           いざ行かむ雪見にころぶ所まで

 
【後日談】などと書いていたら、友人から以下のようなコメントが・・・。

 《Yさん》いや〜、芭蕉先生はまだ我々より若かったですもの。転ぶことの危険をご存知なかったと思いますよーー。

 《私》 Yさん そういえばそうですね。先人たちは、私たちより古い時代を生きていただけで、いまの私たちより年長であったわけではないのですね。とりわけ芭蕉翁などといったりするものですから、つい錯覚してしまいます。

 Yさんが指摘する通りで、芭蕉は50歳でその生命を終えている。いまの私は、それを30年ほど上回ろうとしている。
 やはり、「ころぶ」までに杖が要るし、そもそも風雅ぶって危険なところへは出かけないのが正解かと。
 「年寄りの冷や水」はやはり歓迎されたものではないようだ。
コメント
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