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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

敗戦記念日と嵐と生活者の営み 〈付〉8・14の日記

2023-08-15 14:53:43 | よしなしごと
台風七号、岐阜地方は強風は免れたようだが朝から激しい雨が続き、午前九時には高齢者避難指示が出された。どうやら私も含むようだ。
しかし、やがて雨もその勢いを減じ、風が目立つようになった。それほど強風でもないのだが、乱気流風でどちらから吹いているのか見当がつかず、傘をさしてうっかりしてると、おちょこになりそうだ。
なぜそれがわかったかというと、近くにできたコインランドリーへ洗濯物の乾燥のみをするためでかけたからだ。避難指示の対象の老人がのこのこ出かけることもあるまいと思われるかもしれないが、洗濯物をちゃんと乾燥させるのは生活者に必要な行為なのだ。

78年前、国民学校一年生だった今日は日本が敗戦を認めた日だ。今日と違い、朝からカンカン照りであった。裸同然で遊び回っていたのを母が呼びに来て、これから天皇様のラジオ放送があるからと、ズボンと白いシャツを着せられた。
正午近く、疎開先の母屋や、ラジオのない近所の住民も含め、二〇人近くが床の間に鎮座せしめられたラジオの前に正座して待った。


初めて聞く現人神、天皇の声はキンキンしていてチューニングの悪いラジオでは聞き取りにくく、おまけにやたらもって回った漢語が多くて、近くのお宮さんの神主の祝詞に似ていると思って聴いた。
母屋の近くの木立では、せわしない蝉の声が響いていた。
  
     玉音にわれ関せずと蝉しぐれ  六

【付】8月14日の日記から
【新聞に思う】
今日は「朝日」の休刊日。今までだと、その分の記事をややボリュームのある夕刊が伝えてくれたが、五月以来、その夕刊もなし。
夕刊廃止にもやっと慣れたが(当初は「今日は遅いな」などと思ったりした)、廃止当時、これまでの記事は朝刊でカバーしますといっていたが、夕刊に多かった文化欄系統は朝刊からもほぼ消えた。   
        
一番困るのは映画情報で、これまで金曜日夕刊で、著名作品、ミニシアター系のものなど合わせて10本ぐらいの映画を紹介していたが、今や金曜日朝刊の映画欄は二作品ほどで、しかも内1つはスター中心の紹介で、全体として貧弱きわまりない。
これまであったマニアックな作品の紹介はまったくないから、ミニシアター系の上映館への影響は大きいと思う。
紙媒体の凋落は、それ自体にとどまらず、文学なども含め、けっこう周辺の文化を巻き込んでゆくのではないだろうか。


 

コメント
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