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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

【最近の不思議な日本語】「スピード感をもって・・・・」

2023-08-18 11:25:58 | よしなしごと
最近、よく政治家などが使うのに「スピード感をもって対処する」という言葉があり、とくに岸田内閣によって多用されているように思うが、これがよくわからない。
「スピード感」というのが「スピードを感じる能力」であるとしたら、それは大抵の人がもっていて、新幹線に乗れば早いと感じたりする。
また、それでもって自他の行為の速さや遅さを感じたりもする。例えば私は、自分の行動能力が日々遅くなるのを感じている。
「スピード感をもつ」というのは一般的にいってそういうことだと思うが、政治家たちがそれを使う場合には「急いで」を含意するかのようであり、それを聞かされる私たちは、「ああ、急いでそれを実行するのだな」と思い込んだりする。
           
しかしそうならば、「スピード感をもって」などともって回った言い方をしないで、「急いで行います」といえばいいのだが、にもかかわらず彼らは「スピード感をもって」を多用する。
なぜだろうかと考えるに、彼らはこの「スピード感をもって」と「急いで」との間にある差異を巧みに利用しているのだと思う。
どういうことかというと、国民にとって緊急な課題でも、「スピード感をもって」といっておけば、それが実行されなかった場合、「スピード感をもって」行ったができなかったという言い訳を差し挟む余地があるからであり、実際にそうなっている場合がとても多い。
「スピード感をもって」進められたマイナカードを巡る一連の失態はその典型であるが、ただし私はこの場合は「スピード感をもって」その失態を繰り返し、遅々として進まないどころかマイナカード並びにその制度そのものがポシャってなくなってしまえばいいと思っている。
家畜の耳にチップを取り付け、それでもってそれを管理するように、そのカードでもって国民の情報を一元的に管理することに、私は反対だからである。
コメント
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