きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

それじゃあまたね

2010-02-28 | 父の記録と母の思い出
kekeに「明日は病院に行くかい?」と尋ねると、イヤとも言わなかった。

朝はまだkekeが寝ているので、どしゃ降りの中、近場をグルグル乗って、メガネ屋なんかも覗きながら、ボチボチ家に帰ろうとする前に「あと30分ぐらいで家に帰るけど、行く?」とメールを打った。
返事はなかった。

家に着いて、行く?と言うと、「着替えをする間に車を駐車場から持ってきてくれ」と言う。
昼は?と言うと、「まだ食べてない」と言うので、途中イオンモールで食べるか?と言うと、それはイヤだと言う。

車を取りに行ってでかけた。
今回はCDを何枚も積んでいたので、「好きなの掛けてもいいよ」と言うと、どれも興味がないと言う。
それじゃいいか、と車を走らせるが、し~んとしているのも何なので、「あぁ黄色だったけど止まれなかった」とか「本当は遅い車は左車線を走るんだけど、この先左に曲がらないとならない矢印が出るから、右を走ってるんだよ。」とか、どうでもいい説明をしながら走り出す。kekeは「はぁ」とか「へぇ」とか仕方ないから付き合ってます、と言うような相槌を打つ。

そのやる気のない相槌は、私が父にしているのとそっくりである。
どうしてそんな所が似るんだろう。

「やっぱ何かCDでもかけようか」と言うと、「それじゃELT」と言うので、掛ける。

「これは昔の曲が多いんだけどね、kekeが幼稚園ぐらいの頃の。」
「どうして古い曲ばかりなの?」
「新しいのはもう歌えるから、古い歌を覚えようと思ったからその特集になってしまった。」
「スイミーしか知らない。」
「それはもう知ってるから入って無いや。そう言えば昔、スイミー学芸会でやったよね?」

と言ったけど、それ以上話は盛り上がらなかった。

父は行くなり既にイスで寝ていた。
看護婦さんがシアワセばあさんに「私とジュースを飲みに行きましょう」と席を立たせてくれた。

kekeは父の隣に座って、私は「sakeとkekeが来たよ」と言った。
父は「kekeはどこだ?」と言う。すぐ隣にいるのに、見えてないようだ。

それから大学に行っている話や、kekeが麻雀にはまっている話をしたけれど、父はもっぱら眠いようで、うつらうつら大あくびをするばかりだった。そして「眠くて寒くてけむい。むいばかりで無意味。」とダジャレを言う。そしてまた、うつらうつらし始める。
「今日はkekeが来てるよ」と言うと、「kekeはどこだ?」と言うが、また寝てしまう。

このどうにもならん空気・・・・しかも回りはトイレを嫌がって暴れているだろうジイさんの叫び(怒鳴り)声。相変わらず「あたしゃ帰りたいんだよ!」と大声で怒鳴っているバアさん。それから焦点合わずにフラフラ歩いている人たち。。。。
kekeはヒジョウに居心地が悪いのではなかろうか。。。。

20分ぐらいで「それじゃ、また来週くるね」と言うと、「気をつけておかえり」と、眠そうな父。
今日は引き止められることさえない。
(引き止められて帰れないのも困るが。。)

EVに乗りながら、「せっかく来たんだから、もう少し居るべきだったかなぁ。」とつぶやくと、kekeは「どちらでも」と言う。

またCDかける?と言うと「どちらでも」と言う。
「アンタどんな曲が好きなの?」と言うと「マイケルジャクソン」と言う。
「それはレンタル屋にあるの?」と訊くと、何とかというアルバム以外は全部あります、と言う。
それじゃ今度CD焼きなさいよ、と言うと、はぁとかへぇとかまた相槌を打つ。

それからkekeは、男子フィギアのプルシェンコと言う人が好きなのだそうである。
両方とも私はあまり詳しく知らない人なので、何が良いのかよく分からない。
尋ねた所で、kekeが答えるわけもない。

どこかで何か食べようかと誘うけど、家でゆっくり食べる方がいいと言うので、帰ることにした。

一度、車が詰まってて、車線変更のタイミングがうまくいかず、また「ブッ」とクラクションを鳴らされた。
kekeはこれが初めての事だったので、怖かったようだ。

kekeは駅前で降りたいというので、おろした。
そして、1人で私はまた車を走らせる。
後ろを見る余裕なんてものはなく。

kekeはモコの後姿を見ているかなぁ。

今はまたすぐに、このあと家で会えるけど、いつかこんな風に「それじゃあまたね」って時が来るのだろうか。

それは切ないだろう・・・・なぁ。


その時はバックミラーでkekeの姿が遠くなったら泣けてくるかもしれない。

・・・なんだなんだ?なんでそんな事を考えてしまうのだ?!