高田かやさん「さよなら、カルト村。」を読む。
このマンガは、ある宗教団体の村(マンガではカルト村となっている。)で生まれ育った高田かやさんの12歳~19歳の体験記である。
この村ではお金というものがない。洋服も食事(1日2食と決まっている)も全て村が与えてくれる。(自分の好みはあまり言えそうにない)両親と暮らせるのは5歳まででそこから同じ年齢の子ども達との集団生活になるらしい。5~6人で一部屋で生活する。
義務教育の中学校は決められた中学校に通えるようだが部活はできない。村に帰って村の仕事を手伝ったり、友人達とお風呂に入ったり、夜にはミーティングなどもあり、毎日決められた生活を送る。
高田さんはこの村で生まれ育っているのでその生活を淡々と受け入れ生活している。仕事はそれぞれ決められていて畑の作物を収穫したり、掃除をしたり、縫い物をしたりする日もある。テレビを見ることはないので、たまたま外に出られた時に流行り歌を覚えて、みんなに教えたりする。
お金というものをほとんど使う機会がなかったので、修学旅行の時に小遣いで1万円を預かった時は大喜びで、その残りをこっそり隠し持っていたが、やがて見つかり没収されてしまう。(だがそう言うこともあろうかと、小銭と札を分けて保管したので、お札の方はバレずに済んだと書いてある。)
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よく「次は管理社会の時代になる」と言われているが、それはもしかしたらこのような社会なのかもしれないということを考えてしまった。子供も育てるのは親ではなくて社会が育てるようになるとどこかで読んだことがある。(毎日日記を書くという作業が決まっており、個人が何を考えているかは全部上の人間が把握して、それが時に好ましいものでない場合はおしおきみたいなものもある。)
お金がなくなるとか、個人の所有物がなくなるとか、何を考えているか筒抜けとか、まさにこの村の暮らしのように思える。
ということは、いずれこのようになる時代が来るのだろうか・・・・。まさかとは思うけれど。。。