昨日のバンクーバー五輪女子モーグルのメダリスト3人と4位の上村愛子選手の明暗を分けたのは「攻めの気持ち」なのかも知れません。新聞記事によれば、予選5位に納得せず決勝では「攻め」たものの、気持ちがはやった時の悪い癖で重心が後ろにずれ、中盤のターンが安定しなかったそうです。「攻め」の気持ちが「焦り」に転化していたのかもしれません。上村より予選上位で転倒した2選手も、「攻め」の気持ちでは上村選手より勝っていたようですが、技術をマネジメント出来なかったのでしょう。その点、メダリスト3人は、「攻めの気持ち」も、技術もしっかりマネジメント出来た結果なのだと思います。素人目にも、滑りの迫力が4位の上村選手とは違っていました。上村選手の気持ちは、強い弱いで言えば、間違いなく「強い」と言えますが、繊細か鈍感かで言えば、「繊細」なのだと思います。鈍感と言えば言葉は悪いですが、こうした局面では、ある意味「鈍感」になった方が強く攻めていけたのではないかと思います。
同じく昨日行われたサッカー日韓戦も、やはり「攻めの気持ち」の差なのではないかと思います。散々言われているので、これ以上言っても仕方ないかもしれませんが、監督も選手もいい加減気づいてほしいものです。サポーターも負けた結果だけにブーイングをしているわけではないということです。仮に負けたとしても、個々の選手の「攻めの気持ち」が見え、戦術の意図が見えれば、誰もブーイングはしないと思います。そのいずれもが見えないがゆえのイライラなのです。さすがにこの時期での解任の度胸はないと見えますが、それに甘えて今の現状を是として、W杯に突入する愚を犯してはいけません。結果が出ないのであれば、前提を疑うべきです。やみくもに走り、やみくもに細かいパスをつなげばいいわけではなく、重要な局面では、個々が前を向いて突破していくことが必要だということを共通認識にしてほしいものです。
今日のバンクーバー五輪では、男子ノルディック複合の小林、男子モーグルの遠藤、スピードスケート女子3000mの穂積が入賞を果たしました。小林選手は、メダルが期待されるノルディック複合団体のエースでもありますが、個人でもラスト1kmで一時トップに立つなど「攻め」た結果の7位に大満足な様子でした。持って生まれた楽天家に見え、こうした「攻め」の気持ちは、性格もたぶんに影響すると思われます。でも、性格は変えられないから仕方ないでは運命論になってしまいます。性格は変えられませんが、行動は変えられます。気持ちを「攻め」に転じるような「行動」を強化することで、「攻め」の気持ちを引き出すことも出来ると思うのです。たとえば、サッカーであれば、「ボールを受けたら後ろに返さず、絶対に前を向け」という約束事を設けて行動し続ければ、そういう気持ちが身についてきます。日本人は全体的に謙虚で控えめな傾向がありますが、もっともっと積極的に攻める気風を育てた方が良いですね(国母選手は悪びれる様子もなく公式練習をしていましたが、鈍感力は一流かもしれず、期待が持てるかもしれません…)。