反省しろ、辞めろ、の大合唱もしれっとした顔とふざけた反省の弁で受け流してきた史上最大のヒールがいともあっけなく陥落してしまいました。ふてぶてしい朝青龍と情けない高砂親方(元大関朝潮)が、今回も何とか乗り切れるだろうと踏んでいたところ、横綱審議委員の強い意志で引退勧告をされ、一気に流れが変わったそうです。最後は、解雇か引退かの二者択一となり、名誉と退職金を手にする実利から、自ら引退表明をすることになったようです。
しかし、朝青龍はいまだに何でこんな騒ぎになるんだろうと理解できていないような気がします。純粋に相撲だけを見れば、相撲界にアスリートのスピードと迫力を持ち込み、一時代を築いた名横綱でしたたが、横綱に求められる人の範たる態度、品格、稽古の姿勢などはついぞ身に付かず、相撲の伝統もついに理解しなかったように思います。これは単に外国人ということだけでなく、本人の性格と親方の指導の結果でしょうね。
しかし、それは相撲界のおかしな因習が残っていることも影響していると思います。つまり、朝青龍を指導する側の相撲協会にも、今回の理事選挙のようなおかしなことがたくさんあり、結果、朝青龍が好き放題していても甘やかしてきたので、朝青龍もなめ切っていたということでしょう。それが、今回は単なる相撲協会内部の問題でなく、第三者を巻き込んだ暴力事件ということと、理事選挙のタイミングと重なり、世論の動向を意識せざるを得ない状況が重なり、瓢箪から駒のような引退劇となったのだと思います。
朝青龍の肩を持つつもりはありませんが、これで相撲界はますます活気がなくなります。白鵬は盤石ですが、魁皇は幕内勝利数の記録を作ったもののさすがにそろそろ厳しく、琴光喜も横綱を伺うような勢いはなく、他の大関は琴欧州、日馬富士の外国勢で、次をうかがう把瑠都も外国勢です。本当に貴乃花親方の当選に目くじらを立てるような場合ではなく、角界の改革は待ったなしでしょう。
今日のジョグ
4.7km 26分54秒