プロ野球パシフィック・リーグの全日程が終了しました。投手部門では、楽天の田中将大投手が、勝利数19勝(ホールトンも同数)、防御率1.27、勝率(最優秀投手)の三冠を獲得しました。初タイトルですね。
斎藤、大石、澤村らの同級生が入ってきた今年は、プロ4年間の貫禄を見せつける、圧巻の成績でした。チームのエースの座も、堂々と実力で奪って見せました。
そして、この成績なら、文句なしに沢村賞でしょうね。沢村賞は先発完投型の投手を対象とし、7つの基準からなりますが、以下のように、すべての基準をクリアしています。
勝利 15勝以上 ⇒ 19勝 〇
奪三振 150個以上 ⇒ 241個 〇
完投 10完投以上 ⇒ 14完投 〇
防御率 2.50以下 ⇒ 1.27 〇
投球回数 200回以上 ⇒ 226回1/3 〇
登板試合 25試合以上 ⇒ 27試合 〇
勝率 6割以上 ⇒ 7割9分2厘 〇
中でも、パ・リーグ歴代2位の防御率1.27と、14完投が光ります。防御率は、今年の低反発球の影響もあるでしょうが、150km超の速球と、スプリット、スライダーといった変化球の両方が優れていることが大であり、見事としか言えません。また、完投も初代沢村賞の60年以上前の別所さんは、47完投と化け物のような数字ですが、分業化が進んだ近年では、1桁台のことも多く、14完投は、1995年の斎藤雅樹の16完投以来です。
そして、セントラル・リーグは、まだ試合を残していますが、先日、優勝を決めた中日が勝利投手の資格を得る前に先発川井を降ろして吉見に2回投げさせ、18勝目をあげさせ、最多勝を確実にしました。一方、ライバルは巨人・内海ですが、巨人は新人王を確実にしたい澤村が先発だったようです。しかし、村田の意地の2発を浴び、途中交代し、山口を挟んで、5回から内海が登板というパターンとなったようです。中日とは逆に、リードされた展開での登板となりましたが、何と何と、同じく首位打者狙いで欠場していた長野の代打サヨナラ満塁本塁打で、内海が18勝目をあげ、最多勝を確実にしました。
内海は、防御率は吉見には及びませんでしたが、1.70でこれも立派な数字です。入団以来エースにと期待されながら、その期待を裏切ってきましたが、今年は見事に開花しました。しかし、これは本人の頑張りもあるのでしょうが、低反発球の影響もあるのかもしれません。別に、内海の成績にけちを付けるわけではなく、逆にかつての飛ぶボール時代には、そのせいで不遇をかこっていた投手が他にもいたんじゃないかと思ってしまいます。
いずれにせよ、点がなかなか入らない試合は、見ている方は面白くない面はありますが、各球団とも大味な試合を改め、あの手この手で点を奪いに行く、スリリングで、抜け目のない野球をやってくれれば、見ているファンも熱くなれますね。