ひげ爺のお産・子育てご意見番

子どもは育つ力を持って生まれてきますが
親に子育てする力が減っています。
親育て支援の中で感じたことを書いています。

母子同室への戦い(その6)

2007年08月27日 | 母子同室
今回は最終回です。
母子同室を進める上で最後は、堺市会議員の無所属市民派の山中優子さんにとどめをさしていただきました。
今回の件に理解を示していただきましたのでお願いしました。

堺市議会の健康福祉委員会での質問からです
山中議員の質問です。

平成17年6月17目
             母子同室について
Q1
 新生児の免疫力の強化、母と子の絆の確立のために母乳育児は今、世界で推進されています,1989年にはユニセフとWHOが「母乳育児の保護、促進、そして支援一産科施設の特別な役割」と題する共同声明を発表し、産科施設に
対して「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を守るよう呼びかけています。
 市立堺病院では母乳育児についてどのようにお考えかお示しください,

A1
 堺病院では助産師が中心となり、母乳育児を推進しております。妊婦健診時に保健指導や母乳アドバイス、妊婦教室での乳房マソサージなどに積極的に取り組んでおります。
 分娩後にもカンガルーケアを行っており、新生児は生まれて直ぐに母親の母乳を含むことができ、母親と新生児の早期のふれあいを大切にしています。
 また入院中の授乳時間は、新生児が泣いたら、いつでも与えられるように自律授乳とし、自然な母乳保育支援を目指しています。
Q2
  「母乳育.児を成功させるための10ヵ条」は、母親が赤ちゃんを母乳で育てられるように、産科施設とそこで勤務される職員が実行すべきことを具体的に示したものですが、第7条に「母親と赤ちゃんが一緒に居られるように、終日母子同室を実施しましょう」と謳っています。そこでお尋ねします。母子同室にデメリットはあるのでしょうか。
A2
 デメリットについては、母親の疲労がよく言われているところです。母子同室の場合、母親は出産後の疲労に加えて、夜間のおむつ交換や授乳など新生児の世話をするので、睡眠不足になることがあります。

Q3
 母親の疲労・睡眠不足は医療サービス上問題がありますが、それについての対策はありますか。
A3
 母子同室を出産後、すぐに実施するのではなく、母親の状態や疲労度により産後数日から開始したり、母親の希望があれば、途中数日母子別室にするなり工夫することができます。
 実際に、母子同室を実施している多くの施設から、母親は退院後、疲労より母子同室のメリットの方を高く評価しているという内容が報告されています。

Q4
 それでは次に、母子同室のメリットについて、お答えください。
A4
 母子同室のメリットでございますが、
 ・新生児が欲しがる時に授乳ができるため、母乳育児を確立するのに有効で す。
 ・母親は入院中に子どもを観察する日を養い、育児に慣れることができ、退院後の育児不安の軽減に繋がります。
 ・新生児は常に母親の側にいることで、情緒の安定を得ることができます,
  また、母親も子どもへの愛情が育ち、母と子の絆が強くなります。
 ・母親だけでなく、家族も早期から新生児に触れることにより、家族関係の 確立を図ることができます。
 ・新生児は常に母親とともに過ごし、頻回に授乳するため母親の常在菌が子 どもに移行して、抵抗力をつけ、感染症に罹  
  患するリスクが低くなります。 これらがメリットです。

Q5
 母子同室には、多くのメリットがあることが分かりました。ところで堺病院では母子同室を実施していますか。

A5
 母子同室につきましては、全面的な実施には至っておりませんが、平成16年6月からNICU(新生児集中治療室)を退室された新生児を対象に実施しています。

Q6
  「NICU(集中治療室)を退室された新生児を対象に実施している」とのことですが、その内容と件数をお尋ねします。


A6
 NICU(集中治療室)に入室する新生児は何らかの治療が必要であるため、母親と接する機会が極端に制限されてしまいます。授乳だけでなく、子どもを抱くことも十分できないこともあります。
 新生児の症状が安定し、NICU(集中治療室)を退室した後、母子同室で過ごして頂き、母親の育児への不安の軽減や母乳育児を行っています。
 平成17年5月までで13組の母子同室を実施しています。数が13組と比較的少ないのは、NICU(集中治療室)退室後も新生児に治療が必要であるため母子同室ができなかったり、母親の状態が良くなかったりするケースがあるからで
ございます。

Q7
 -母乳育児の成功や育児不安の軽減など、多くの成果が認められる母子同室ですが、堺病院で全面実施に至っていな      
  いのは何故ですか。

A7
 母子同室の全面実施に際しては、安全対策が重要と考えるからです。母子の安全のため、病室の錠設置や面会者を制限できる設備が必要です。現在の病棟は混合病棟であり、様々な疾患・症状のある患者さんが入院されています。夜
間の新生児の泣き声が、他の患者さんの療養の妨げにならないように病床運用が必要と考えています。
 現在実施している母子同室の成果を今後の母子同室導入の資料として役立てたいと前向きに検討してまいります。
要 望
 前向きに検討していくというご答弁で安心いたしました。
 先日、厚生労働省から発表されましたように、平成16年度の出生率が1..29人であったことは周知のとおりです,国においても「子ども子育て応援プラン」を掲げ、少子化社会対策に取り組んでいます。
 是非とも早期に課題を検討されまして、堺市民の病院として、また地域の中
核病院として、その機能を十分発揮し、母子ともに安全な環境で母乳育児ができる母子同室を実現されることを要望してこの質問を終わります。
*************
この結果、今年の6月から母子同室が出来るようになりました。
市民のためにと願って行動を起こせば変わります。

目下、一ヶ月健診での母乳哺育率について、市当局から聞き出す準備をしています。
母子同室にしても同室以前の母乳哺育率30%台では困ります。
母子同室にさせた意味がありません。
妊婦への教育やスタッフのサポートがないのではないかと推察しています。

続けて追求していきます。



コメント
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