津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

お燗は人肌

2006-10-08 18:51:58 | 徒然
 棚の整理していたら、燗徳利が二本出てきた。もう三十年程も前だろうか、呉須の色にほれ込んでデパートで買ったものだが、晩酌がウイスキーや焼酎に変わってからは、全く使う機会も無くなっていた。随分涼しくなってこんなものを見つけると、「お酒を一杯」と思ったりする。昨今は冷酒なるものが出回って、季節に係らずお酒を口にする機会は有るのだけれど、お燗したお酒をいただいたのはいつだったろうと考えると記憶にない。
雑誌「酒」の元編集長佐々木久子氏の随筆だったと思うが、「お燗は人肌」というのは女性の乳房の下辺りの体温なのだそうだ。まずはぬるめから入り、徐々に温度を上げて嗜むのが良いという。

 お酒を買ってきて、久し振りにお燗で一杯と行きたいところだが、「お燗は人肌」の確認が問題である。女房殿に張り倒される予感がある。
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唐物物相茶入「木葉猿茄子」

2006-10-08 11:43:47 | 徒然
 利休百会記に「茶入木葉猿」の名が見えるのは、九月廿二日古田織部を招いての時が初見であるとされる。天正十五年とか十八年・九年などいろんな説があるがさておく。インターネットで検索すると、この茶入は、静嘉堂文庫美術館が所蔵しているらしい。ふっくらした茄子茶入の腰の辺りの、釉薬の剥げた部分を猿に見立てて「木葉猿」と銘名したとされ、内箱は山中で遊ぶ猿の群れを表した素晴らしい蒔絵の箱である。私が気になるのは、「木葉猿」の名の出所である。

 熊本には1300年余の歴史を持つという、鄙びた郷土玩具「木葉猿」があり有名である。
いわゆる「見ざる、言わざる、聞かざる」の三つの猿を並べた、粗い土で焼き上げられた素朴なものだ。木葉は「このは」と読ませ、地名ともなっている。もしかしたら、この地の「木葉猿」が知られていたのではないのかと思ったりする。「そんならいいな」郷土愛に満ちた私(?)はそう信じている。
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