季節はずれだが、夏目漱石に私の好きな次の句がある。
市中は 人様々の 師走哉
数日前出久根達郎のエッセイ「下々のご意見」を読んでいたら、この句が紹介されていた。この「市中」は「まちなか」と読むのだと・・・(わかってますけどー)
時代劇で「市中(しちゅう)引き廻しの上・・・」というのは、かっては「まちなか引き廻しの上・・・」と言っていたという事をおっしゃりたいらしい。
漱石の句と共に古句「市中は 物のにほいや 夏の月」が紹介されている。
まったくの偶然だが、きのう浅野宏著「江戸の『闇』を読む」を読んでいたら、この古句に遭遇、凡兆の句であることが分った。じつはこれは連句でなんと芭蕉が七七を附けている。
市中は 物のにほいや 夏の月 凡兆
あつし/\と 門々の聲 芭蕉 となる。
「裏長屋の夏は夜まで蒸し暑い。涼風どころか熱風でさえ、長屋の角は曲がりきれない。蚊いぶし焚いても効果はないから、誰彼なしに裸を叩いて蚊を追っている」と著者は解説している。
(後で知ったこと---太宰治の天狗という文にこの句が紹介されているが、「いちなか」とルビがふってある。さてさて・・・)
市中は 人様々の 師走哉
数日前出久根達郎のエッセイ「下々のご意見」を読んでいたら、この句が紹介されていた。この「市中」は「まちなか」と読むのだと・・・(わかってますけどー)
時代劇で「市中(しちゅう)引き廻しの上・・・」というのは、かっては「まちなか引き廻しの上・・・」と言っていたという事をおっしゃりたいらしい。
漱石の句と共に古句「市中は 物のにほいや 夏の月」が紹介されている。
まったくの偶然だが、きのう浅野宏著「江戸の『闇』を読む」を読んでいたら、この古句に遭遇、凡兆の句であることが分った。じつはこれは連句でなんと芭蕉が七七を附けている。
市中は 物のにほいや 夏の月 凡兆
あつし/\と 門々の聲 芭蕉 となる。
「裏長屋の夏は夜まで蒸し暑い。涼風どころか熱風でさえ、長屋の角は曲がりきれない。蚊いぶし焚いても効果はないから、誰彼なしに裸を叩いて蚊を追っている」と著者は解説している。
(後で知ったこと---太宰治の天狗という文にこの句が紹介されているが、「いちなか」とルビがふってある。さてさて・・・)