為政者が狂うと迷惑至極である。徳川綱吉の「生類憐れみの令」などが、最たるものであろう。ご本人は「良い事をしている」と思っているから、尚更始末に終えない。細川興元の玄孫・茂木谷田部藩四代藩主細川興榮は、元禄ニ年襲封している。その年の暮、領内の農民が犬を使い鹿を獲ったことにより、「遠慮」せしめられている。「遠慮」という処分はたいしたものではないのだろうが、襲封早々の事で大変だったろうと推察される。農民のその後がどうなったのか知らないが、軽い刑ではなかったろう。
八十歳まで長生きした興榮だが、人生いろいろある。
八十歳まで長生きした興榮だが、人生いろいろある。