最近歌手・白鳥英美子さんの「愛燦々」の歌唱にとりこになっている。偶然Youtubeで見つけたものだ。
この曲はいわずもがな小椋佳氏の作詞作曲によるものだが、白鳥さんの素晴らしい歌唱力と声質がマッチして、この曲には一番の適任者ではないかと思ったりする。
此のところ「漢字」や「言葉」に興味があって、いろんな本を読んだりしているが、この「愛燦々」は小椋氏の造語だと聞いたことがある。
一番から「雨潸々」、二番は「風散々(さんざん)」、三番が「愛燦々」と、韻をふまえた言葉を各章の頭に据えたレトリックが大変印象深いが、「散々」はともかく「潸々」や「燦々」という言葉は、その文字さえ日頃はあまりお目にかからないもので、小椋氏の並々ならぬ語彙力でもって成された詩であることが判る。
潸・燦など云う字は改まって詳しく眺めてみないと、書けと言われて正確な文字を書くことさえできない。
考えてみると古文書の世界でも、私は今まで出会っていないように思う。
時々白文の漢詩などを読んでみようとチャレンジしたりしてみるが、日本では使われていないだろうと思われる漢字が度々登場して、太刀打ちできる話ではない。
早々に白旗を掲げて退散することになる。
「言霊(ことだま)」という言葉があるが、小椋氏の詩や歌の世界はまさに言葉が命を宿して昇華して、そして最高のメロディーがそえられて高みへ至った。
白鳥さんの歌声を聞くと、自ら望んで歌いたいと思われたであろう確信が見て取れる。詩と曲が人を呼んだ。
82にもなる爺様が時々口ずさんだりしているが、小椋佳氏は私より二歳と一日お若い。まだまだのご活躍をお祈りしたい。