先にご紹介した■豪潮の壬辰元旦の試筆の七言絶句にある「儀」だとする筆跡である。
七言絶句だから、一句の末字と二句・四句の末字は押韻させなければならない。
ところがこの豪潮の試筆の第四句の末字は、一句の「詩」、二句の「枝」つまり「し」と押韻することが必要だから、「儀=ぎ」ではつじつまが合わなくなる。
第四句は「海東先照太初儀」(海東先に照らす太初(始め)の儀)とあるのだが、儀を「し」とは読まないだろうから、上の文字は「儀」ではないのだろうと私は考えた。
「し」と読む文字は252字ある。現在、句として成り立つかを一文字ずつ当てはめてみてチェックを始めた。
ご苦労なことだが気になって仕方がない。
さてこの文字、【儀】(ぎ)は、「出典 小学館デジタル大辞泉について」によると、次のようにある。
古文書でよく目にする「私儀」は、「私こと」となる。
1 儀式。礼式。「婚礼の儀」
2 事柄。こと。「その儀ならば論に及ばない」
[接尾]人代名詞、人名、あるいはそれらの側の物を表す名詞に付いて、…こと、…に関して、の意を表す。
多く、通知・通達などの文書の類に用いられる。
「私儀この度一身上の都合により…」「陳れば本稿―も御承知の通り」〈漱石・吾輩は猫である〉
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