(32)
一或時、次の間にて咄居候時、何れも被申候は、近松勘六が小もの、甚三郎と申ものゝ儀を存出候へは、不便に存候と被申候故、いかや
うにて候やらんと尋候へば、勘六儀、先祖以来代々近江之者にて候、在所より甚三郎を、今度江戸へ召連參候、彼者親は庄屋を仕居申
候、代々わけあるものにて候、差返可申と存候て、其段申聞候へは、彼者申候は、此間何れも様の御樣子を見候へは、近き中思召立候
儀有之と見及申候、私儀被召連候刻親共申聞候は、随分御奉公、精を出御爲には身命を捨申候樣に申聞候段、御聞被下候通に候、御用
に立申間敷と思召、御返被成候事、無是非仕合とて、腹をも切申體に見え申候故、不及力其分に召置、夜討の節も供に召連申候、然共
兼て内蔵之助申付儀は、今度の儀内匠頭え勤居候ものの親子兄弟にても、他家に居申たる者、其外内匠頭に對し譯も無き者は、同道不
仕筈に申付置候故、其夜門外迄召連、翌朝上野介殿屋敷を出候時に罷出蜜柑餅の類を袂や懐に入、御喉の渇き可申とて、皆々へ給さ
せ、扨々首尾能御仕廻被成候迚歡申候、定て今度伯耆守樣より、私共被召連候刻も、多分跡先に成り、辻番邊にうろたへ居申候はんと、
不便に存候と被申候、さては左樣の者にて候哉、神明の知恵にて、後には冥加に叶可申と申候へは、唯今に成存候へは、勘六名付を
も遣、内蔵之助に申斷、一列に加へ不申事、殘念至極と何れも被申候、某其後いかにもして、彼者心底不便に存、上野の脇谷中の入り
口より左に往て、長福寺と申寺に、弟子文良と申出家は、勘六甥の由に付、尋參り文良に逢、勘六無恙段をも咄聞せ、且又甚三郎事を
尋候へは、無事ニ而十二月廿四日迄逗留いたし、在所に罷歸候由、暫物語いたし、座敷を見候得は、菅谷半之允と札付居申候葛籠、其
外にも見え申候、何れも折々參宿をも被致候やと相見え候、其後勘六に噺申候得は殊の外歡にて候事、
(33)
一或時、内蔵之助へ此方より申候は、此頃町人の噺承候へは、於京都菅野三平と申仁、書置なと被仕、自害致され候様承候と申候へは、
内蔵之助被申候は、夫は皆共京都に居申候内之事にて、存命にて候はゝ、今度之一列にも加り可申ものにて候と、返答被致候、何れも
の咄に、三平か父浪人して京都に居、三平を何方へそ養子に遣候て、奉公をいたさせ候と談合有之候へとも、三平志に叶不申候、右之
通書置いたし、内匠頭様一周忌に、自害いたし候と咄被申候事
(34)
一次の間にて、若き衆中の咄に、矢頭右衛門七と申すもの、十七歳に罷成候、江戸初にて候、(磯貝)十郎左衛門引廻申候、彼者親は京
都にて病死仕候刻、右衛門七え申聞候者、内々内蔵之助と申合たる事、志を不遂候て果候事、不及是非次第也、汝志を繼候へと申候へ
は、奉得其意候由にて、今度の列に加り申候、叔父は松平大和守樣御家中に居申候、是に母を預置候とて、母子共に道中荒井迄參候處
に、若輩と申初旅故、女切手を持參仕候事を不存候て、荒井より立歸申候、如御存知久々浪人にて暮し候へは、少の路銀も無之候故、
何れも申談、母は赤穂に存候もの有之候に頼遣申候、今程は定而難儀可仕と被申候故、扨々御父子の御忠義感心仕候、神明の加護にて、
御母儀もゆる/\御暮候樣に成可申と申候て、涙をながし申候事
(35)
一或時、(磯貝)十郎右衛門被申候は、傳右衛門殿には、古き事を能御存知にて候、(吉田)忠左衛門に古戰の噺御聞被成候へ、忠左衛
門も歡可申と被申候へとも、(三宅)藤兵衛殿段々被申聞候趣も有之候故、所望不仕候、松平宮内大輔樣御家来、渡邊數馬、河合又五
郎喧嘩の咄を承候處、兼々承り候よりは委く咄被申候、右喧嘩の書付一冊、前廉寫置候故、忠左衛門咄にて、御家老荒井但馬と、御老
中樣より御穪美の事を書加へ申候、右但馬は眞源院様(光尚)の御代相模守樣を御招請なと有之、御馳走の刻、但馬も御供にて被召連
候へとも、參候節相模守樣御次の間に被居候へは、見物被仕候樣に、眞源院樣御懇の御樣子、同名故文左衛門、其頃兒小姓相勤候砌に
て、見被申候共迚、咄承り候、亡父なとも心易、書通なと被致候、隠居名龍雪とか申候事
短期間に7㌔ほど体重が減ったので、単なる夏痩せではないのではないかと思い、懸り付けの病院で相談したところ、昨日は腹部エコー、一月後には胃カメラと大腸検査を受けることになった。
腹部エコーの結果、腎臓嚢胞大小二つが見つかってエコー写真に対面した。
ガンになる可能性があるから経過観察しましょうという事に成った。82にもなった爺様だから何か出てくるのは覚悟の上だが、今私が一番恐れているのは尾籠な話だが、大腸検査の折に飲む、2リットルにも及ぶ下剤を飲むことだ。
レントゲン写真のバリュームも願い下げだが、看護婦さん曰く「少し甘くしてありますから、頑張って飲み干してください」との由。
1.5リットルのポカリスウェットのボトルでも難儀なのに・・・なんだか夢に出てきそうである。
そして、発見されるのは腎臓嚢胞で終わりと願いたいと切に願うのみである。
涼しくなって又散歩をはじめようかとも思うし、減り続けていた体重もどうやらストップしたし、少々体力を付けなければならない。