「ふるさと-史跡と風土をたずねて」(昭和55年・熊本市発行)を読んでいたら、「青にょろい」という言葉が出てきた。
「青桐」の木のことだそうな。下通りから安政町にぬける緩やかな「三年坂」は昭和の初期あたりまでは、青桐の並木だったという。
今では青桐の並木と云えば新町の「正妙寺町通り」が知られるが、かっては「上通り」もそうであったと熊本の歴史家・鈴木喬先生の著にあった。
「青にょろい」は熊本独特の言い方なのか、「青にょろり」と呼ばれるようだが「にょろり」とは「真っすぐに立っている」の意らしい。
私が小さいころは、所々で青桐を見かけた。秋に成ると実を付けた袋が四つ・五つに割けて地面に落ちるが、これを拾い集めて、火に炙って食べた記憶がある。
大変香ばしく美味しというその味は良く覚えていないが、戦後の食糧難の頃の小学生時代のなつかしい思い出だ。ちょっと食べてみたい気がする。
今では、あの青々とした木肌の「青にょろい」を見かけることはない。
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