では、残る「(悪魔はイエスの)かかとに噛みつく」は、どうでしょうか?
蛇にかかとに噛みつかれたらどうでしょう。
鋭い痛み、針で刺し通されたような耐え難い痛みが走るでしょう。
頭に電気が走るかも・・・。
これも比喩でしょうが、前の流れからして、言ってることは自ずと明らかそうですね。
悪魔が人間を誘導して、イエスを拷問させることでしょう。
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イエスは、十字架にかかる前に、すさまじい拷問を受けているのですね。
今までのイエス映画は、そのあたりの描写が甘かった。
それを、史実に忠実たることを旨として描いたのが、メルギブソンが制作した「パッション」ですね。ここでは、当時拷問に使ったムチがそのまま描かれています。ムチの革ひもの先には貝殻や、鉄の刃物の先のようなものがついています。これでイエスの背中や胸にひとムチくれると、イエスの皮はさけ、肉の中に食い込みます。そのむちを引っ張ると、中に白い骨が見えます。
そのほか、顔は殴られて、片一方のまぶたが腫れ上がって目が見えなくなっている、とか。とにかく、ありとあらゆる拷問をイエスにしています。
これが「かかとに噛みつく」と考えると、この聖句も筋が通っていきます。