前回の続きだ。
前回と今回の理屈は、年齢的には少し難しいと思うが、まあ、早熟で利発なりんたろうくんこのとだ。
やっておこう。
<天使は全員「命令⇒服従」のシステムに組み込まれている>
天国が「北朝鮮のよう」に感じられる理由はもう一つある。
天国の民である天使は全員が「命令⇒服従」の原理で動くように組織化されていることだ。
人間社会では「説明⇒納得」の原理で行動する余地が与えられている。
これに比べたら、天使は可愛そうではないか?
なぜ、そんな原理に閉じ込めるのか、なんか暗いなあ・・・というのがその「もうひとつの理由」だろう。
<幼子には規律に従わせる>
だが、人間社会にもよく見ると、「命令⇒服従」を主原理として行動する領域は存在するよ。
親に養育されつつある幼い子どもがそうだ。
親は「とにかくこれに従え」と規律を与える。
人間や世の中に関する知識が無い子どもを、好き勝手に放置したら、自堕落で横暴で人を顧みない大人になる公算が大きい。
その事例を教育稼業のわたしは、沢山見てきたよ。
規律は英語でディシプリンだ。
タブ-・禁忌(きんき:してはならないこと)を含んでいる。
これへの服従を命じられることで、子どもは自己統御ができる自律的な人間に育つのだ。
<素質は天使より制約が多い>
天使と違って、人間は霊が肉体を着ているように造られている。
だから、食べて生活せねばならない。
肉体に食物が与えられねば飢餓の苦しみを味わう。
飢えは苦しいよ。
病気も苦しい。
事故で肉体が破壊される心配も常にある。
何よりも、肉体を持つので死の恐怖が常時ある。
天使と違ってそれらの制約二囲まれながら、人間は生きねばならないようにできている。
そういう人間ですら幼少時には規律を与えられ、「命令⇒服従」」の原理に中で暮らすのだ。
でなければ、手が付けられないような大人になる。
<天使っていいなぁ~>
対して天使はどうか?
天使は全身が霊だから、飢えや病や交通事故の心配はない。
死の恐怖も皆無だ。
その上に、火にも風にも変容できるという強大な力を与えられている。
天国から地上にも、瞬時に移動できる。
それでもって、人間と同じに自由に動く意志を与えられているのだ。
これを知ったときわたしは「天使っていいなぁ~」と真剣に思ったよ。
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だがこういう資質の存在は、もし自由放任したらなんでもやるよ。
天使は創造神に「仕える霊」として造られている。
こういう存在は、軍隊的な組織に組み込んで、命令で動かしてこそ、「仕える霊」として適切に職分を果たす。
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もし自由に行動させたら、その行為は強引にも横暴にもなるだろう。
例えば、人間に福音を伝えよと命じたら(実際には天使には福音伝道の職分は与えないのだけれど)どうなるか。
ぶん殴ってでも信じさせようとするだろう。
「信じないとどうなるか」の怖い幻を見せて、恐怖でもって信じさせようともするだろう。
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天使は人間より遙かに弱さのない、恵まれた資質を与えられているのだ。
この存在はやはり、階層組織に組み込んで、上位者からの命令に服従するようにするのが妥当なんだ。
<民主国には「命令⇒服従」の大人社会もある>
余談だ。
地上の民主国家では大人の世界にも、「命令 ⇒ 服従」の原理で動くゾーンはあるよ。
軍隊がそうだ。
軍隊の本務は敵との戦いだ。
戦いの時には、迅速な決定をして、一体性を持って行動せねばならない。
戦の途中でみんなで集まって「これはどうしようか・・・」と話し合って、合意を求めていたら敵にやられてしまう。
だから、日本でも自衛隊に入ると、「命令⇒服従」で敏速に動く訓練を受けることになる。
<御子を信じる者を守る「力ある」霊>
もう一つ余談だ。
人間は天使より後に造られる。
人間は、御子イエスを救い主と心に受け入れると、創造神の子としての特権を与えられるようにつくられる。
その結果、天使は創造神である御子に仕えるだけでなく、御子を受け入れる人間をも守り仕えることになる。
これは「なんかうれしくなる話」だろ。
そのことが「ヘブル書」(ヘブル人への手紙)という書物に書いてあるよ。
今回は、これまでにしておこう。