前回、「在物神に仲介者が介入する」宗教は安全でないものを含む、といったね。
前に述べた「占い」も、このタイプの一つだ。
<「神イメージ」は暗黙の前提>
ここでは神イメージは具体的に出てこないが、「見えない影響者」がいることが暗黙の前提になっている。
占い師は、そのご託宣を仲介する仲介者だ。
カード占いや星占いは、託宣を受ける技術であり作法なのだ。
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この知識があれば、ネット占い師に深みに誘われていって、大金を振り込むという被害に遭わずに済む。
<神社宗教も同じ構造>
神社宗教は、全く別物に見えるけれど、構造は同じだ。
占いは「個人・対・個人」でやるからわかりやすいが、こちらは漠然としたところが多いのでわかりにくいだけだ。
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神道での「見えない影響者」のイメージ(神イメージ)は、社殿のなかにいるとイメージされる神である。
社殿は人々の住む家と似た形の建物なので、「その中に何かがいる」というイメージがしやすい。
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だが、その神の中身は「ジ~ン」と感じる神秘的な感慨だ。
感慨は感情・情緒なので、「その神はどういう神か」が理念・言葉で説明されることはない。
つまり漠然としたままだ。
すると、公式通り、「仲介者」が出現し、それが職業となる。
これが神官だ。
<ヤバい託宣はしない>
神官は占い師のように、詐欺罪で訴えられることは無い。
だがそれは、託宣の内容が、依頼者の生活に具体的に関わるものでないからに過ぎない。
恋愛、結婚、商売など、具体的な、生活に関わる事柄のメッセージは仲介しない。
新しい建物を建てる際に、土地の呪いが吹き払われるようにお願いしましたからね~とか。
この結婚は祝福され、呪いがないようにお願いしましたからね、~とか、無難な託宣しか伝えない。
(そのことすら、はっきりいわない)
だから「話が違う」と訴えられにくい。
問題が起きることがほとんどないので、繰り返され、慣習化しやすい。
地域的に広く普及しやすい。
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けれども、その構造が「神イメージ⇒ 仲介者 ⇒ 一般人」であることには変わりない。
「占い」と同じく、仲介者付きの在物神宗教なのだ。
今回はここまでにしよう。
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(旅行に出ますので、3~4日ほど投稿を休みます)