ここで宿物神(在物神)と創造神 ~この二つの神イメージが人間の意識のなかでどうなっているか、その心理状況について、今一歩踏み込んで考えておきましょう。
人の心理は複雑ですが、まずは単純に、感情と理性の二つで成っているというメガネを通して吟味しましょう。
今回は、宿物神イメージについて。
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<宿物神イメージの中身は感情と感慨>
宿物神イメージの中身の特徴は、フィーリング(感情)だけで理論がないことです。
それは次のようなプロセスで形成されます。
① まず物質を認知します。
② その物質の内に、「自分に影響を与える見えない存在」が、オートマチックに、理屈抜きに意識に浮かびます。
③ その影響に「善きもの」と「悪しきもの」との両方を漠然と予想し、前者に「期待」の、後者に「怖れ」の感情を抱きます。
④ その存在に「崇高」「拝すべき」といった感情も抱きます。
⑤ それらの感情を集合・併存させて、意識に(宿物)神イメージを形成します。
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<「恐れ」の感情を内包する>
ちなみに宿物神イメージはそういうものですから、「怖れ」の感情を必ず含んでいます。
「悪しき影響を及ぼしてくる」ことへの恐れですね。
このイメージの中身はすべて「感情」ですから、人はこれを理性的に~論理でもって~処理することができません。
だから神イメージが在物神イメージだけの人は、漠然とした恐怖を心に内在させながら、生きることになります。
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<仲介者が現れる>
こういう状況では、「この神を知ってるよ」というジャスチャーをとるものが通常現れます。
すると人々は、彼に神と自分との間の仲介を依存するようになる。
こういう依存者が、一定の地域や国の中に増えると、彼は容認された、神との仲介者になります。
祭司・神官の出現がそれです。
彼らは、人々への精神的支配力(権)をもっていきます。
それにつれて多額の富も、彼らのもとに集まってきます。
(続きます)
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