ヨハネ伝の聖句に戻りましょう。
本日はこれです。
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=聖句=
「私が父(創造主)の中にあり、
父が私の中におられれことを信じなさい。
それができねば、みわざそのものによって信じなさい」(14章11節)
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イエスはここで「私が父(創造主)の中にあり、父が私の中にいることを
信じなさい」といっています。
これは前節で言ってきた「父とイエスは一つ」ということ、
だから、「イエスを見たのは父をみたこと」を別の言葉で
言い換えているところ、と考えて言いように思われます。
<イメージキャップと雰囲気実体>
続いてイエスは「そのことが信じられねば、私のなしたわざ
(父が働いてなされているみわざ)根拠にして信じなさい」と言っています。
この二つの状況での「信じる」の中身は、異なっているように
今の鹿嶋にはみえます。
そのことが、この数回でのべてきたことで見えるように思います。
つまり、このところ鹿嶋は、人の意識を形成する二つのものを示してきました。
一つはイメージセットです。
これは人の頭脳(頭)を取り巻くようにして存在しているとイメージできますので、
イメージキャップといったほうがわかりやすいかもしれません
(その言葉も使うことにしましょう)。
キャップはcap、つまり帽子です。
イメージ要素のワンセットが帽子のように人の頭を覆っている感じです。
もう一つは、雰囲気実体でした。
これはイメージキャップを契機にして、腹の底の方から生成してきます。
それは雰囲気で、分割できないホリスティック(全体的)なものですが、
それを生成させ感知することこそが究極の状態です。
そして、「この雰囲気とは聖書の霊に当たる。
霊は実体であり、存在の本体なのだ」、と鹿嶋は考えました。
<二つの「信じる」>
本日の聖句のはじめの「信じる」は、この霊的実体を霊感で感知する、
という意味ではないでしょうか。
イエスは、「父と私が一つであることは、その雰囲気実体を
心に生成させえたらわかるよ。そのようにしてわかりなさい」
といっているのではないでしょうか。
そして後の方の「信じる」は、
「イエスと父が一つであることを、イメージキャップとして意識の中に
しっかり保つこと」ではないかと思われます。
これは「もし前者の状態の信じるができなければ」というのですから、
雰囲気実体は心に生成していない状態であることをも暗示しています。
究極の認識は、雰囲気実体すなわち霊を心に生成させることです。
これによって深い確信の伴った認識が得られます。
だが、「それがまだ出来ないのなら、とにかく、イメージキャップだけは
脳神経系に形成しておきなさい」ということだろうと思います。
イメージキャップなら推論によって形成することも出来るのです。
その根拠はイエスが行ったわざです。
彼がなした「いやし」や「死人を生き返らせたこと」などのわざは、
みな肉体を持って生きる人間にとって「よきわざ」です。
そして、「良き御わざはGOD(創造主)のみがなされる」という思想は、
旧約聖書からあるのです。
で、それをなすのだからイエスも創造主と同一の方、となる。
こういう推論でもってイメージキャップは形成可能なのです。
イエスの最後の晩餐で話を聞いている弟子たちはみなユダヤ人です。
彼らには旧約聖書の素養があります。
だからこういう推論が普通のこととして出来るのですね。
<蛇足>
付け足しですが、そういう前提思想のない日本人には、
このあたりはわかりにくいところではないかと思います。
「イエスのなさったことは、創造主のみがなさるべき事である。
だからこの方は創造主と同質の方である」
~~こういう論理はイメージに形成されがたいのです。
でも、「創造主(God)というのは、きわめて限定的な意味を持った神
(one of gods)である」、ということをしっかり把握して
聖書を読んでいるクリスチャンにはそれは可能です。
ところがこれを神(gods)と理解したり、そう呼んでいたらどうなるでしょうか。
この限定的な意味が、ボケてしまいます。
にもかかわらず、ほとんどの日本人信仰者は、
これを延々と百年以上もやってきています。
Godは聖書のキーワードです。イエスの教えのキーワードです。
この概念を、“シャープに”把握しないで、聖書の教えの正確な把握をするのは
難しいです。またそれでは福音が力強く伝わることは起きにくいです。
春平太が、「ゴッドは創造主(つくりぬし)または創主
(つくりぬし、あるいは、そうしゅ、と読む)と読むべきだよ」
と言い続けている理由もそこにあります。
これに関連した詳細は拙著『神とゴッドはどう違うか』(新潮選書)
をお読みくださいますように。
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