前回に示した、置き換え要素の「第二」は、珍しいものではない。
すなわち、「イエスから教祖への権威の置き換え」は改造思想 ①でも、②でも、なされていることだ。
これには聖書理論改造の常套手段といった観もある。
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だが、「第一」の置き換え、すなわち、理想郷の「天国から地上現世世界への移し替え」は、なかなかなアイデアだ。
これは教団員獲得のためには、大きな心理効果を発揮するのだ。
<すんなり受け入れられ易い>
a. 効果の第一は、そのビジョン(夢、まぼろし)が、すんなり受け入れられやすい、ことだ。
人はいま現に地上世界で生活している。
だから、その世界が理想郷になって欲しいという願望は、物心ついた時から自然発生的に心に育ってきている。
それが故に、人々はこの現世理想郷のビジョンを示されると、当然という感情で気楽に受け入れるのだ。
<人心を燃やしやすい>
b. 第二の効果は、人の心を燃やすことだ。
現世の地上世界は、人が今生きている「世」だ。
自分が現に生きている世界を改良したいという願望は、人は心の深くに抱いているものだ。
だから人心は、そのために働きたい、と容易に燃えもするのだ。
~ a. b. 二つの特性は相まって、教団は多くの共鳴者を得ることになった。
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<政治活動につなげやすい>
c. 第三の効果は、思考が政治活動につながりやすいことだ。
地上理想郷ビジョンは現世改善思考を生み、それは現世の政治を改善したいという思いを生む。
この思考は、人々を政治活動に誘導しやすいのだ。
~これについては次回に述べよう。
(続きます)
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