この「基督教再入門」を筆者鹿嶋は、話し言葉で書いています。
実は、ある若き青年に語りかけているからです。
彼の名は北上望(きたがみのぞむ)君と言います。
この春高校を卒業しました。現役生として大学を受験しましたが、第一希望の大学に合格できなかった。
まだ若いから、と、いま浪人一年生です。
好奇心の強い青年です。途中確かめたいこと、疑問なことがあると、率直に質問します。
話の進行を気遣うことほとんどなく発言する、「空気読めない人間」ですが、それも若さです。
いま筆者は聖書の話に入りました。
~聖書は前半が旧約聖書で、後半が新約聖書でなっています。
旧約聖書の冒頭に収められている書物が『創世記』でして、それは次の言葉(聖句)から開始されています。
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「はじめに創造神は天と地を創造された」
(創世記、1章1節)
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このように聖書では、初っぱなから、創造神が登場します。
そしてその方が天と地と海を創造される光景から話が始まっています。
<人間が生きられる環境を創る>
創造神は、海には魚を、空には鳥を、そして地には植物、動物を創造します。
これらは人間が生存できる環境です。それを整えた後に、その環境の中に創造神は人間を創ります。
つまり、この「天と地の創造」は、人間に焦点を当ての創造です。
創造神は、人間を男と女に創造し、「生めよ。増えよ。地を満たせ」といい、さらに「全ての生きものを支配せよ」といっています。
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これらの創造活動を6日間かけてなし、7日目には創造神は休まれます。
そして、その日を「聖」と定められます。
<世界観の一つとして>
望「奇想天外なことが連続して起きる物語ですね」
~創造神が起こすんだからね、とりわけ日本人にとってはそうでしょう。宿物神イメージしか持たない自然なままの人間が多いからね。
でも、基督教の教典である聖書にはそう書いてあるというのは事実だ。とにかくその事実から出発するのが正解でしょう。
望「こんな話をわれわれはどう受け取ったらいいでしょうか」
~そうだね。答えは「まず世界観の一つとして聞く」だろう。
世のなかには世界観が色々あります。
「人間社会には、資本家と労働者がいて、資本家が労働者を搾取している」というのもその一つだ。
望「それって経済社会だけをみた社会観ですね」
~近代社会の経済面の話だが、経済に焦点を当てていようが、近代に時代は限定されていようが、それも一つの世界観だ。
「こういう社会はいつまでも続かなくて、いずれ革命が起きて平等な社会が実現される」という見方が付け加わってもいい。
それもまた世界観。
もちろん「こういう搾取関係は永遠に続く」であってもいい。それも世界観だ。
とにかく人間である自分を含み、その自分を取り巻く環境世界のイメージは、みんな世界観だ。
ちなみに世界観を全体観と言うこともあるよ。
望「だったら、『世界には怖い神様がいて、悪いことすると死後地獄に落ちて鬼に苦しめられる』というのも世界観ですか?」
~ああ、立派な世界観だ。「生きてる間にウソをついてたら、地獄で閻魔様に舌を抜かれる」というのが加わっても、やはり世界観。
聖書の世界観も、まずはその一つとして知識に加えたらいいだろう。
望「そんな程度の受け取り方でなにかいいことあるんですか?」
~そうだなあ、深い質問やなあ、では次回はそのことを話そう。
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