Sightsong

自縄自縛日記

最近のチコ・フリーマン

2007-12-03 23:59:49 | アヴァンギャルド・ジャズ
チコ・フリーマンの若い頃の作品や、バラード集(参照「チコ・フリーマンの16年」)などは好きなので、最近のCDも買い続けている。

『Project Terra Nova』(Clarity Recordings)は96年作。ネルソン・マンデラに捧げた「Mandela」や、マイルス・デイヴィスの「Seven Steps to Heaven」を演奏している。ジャズ、フラメンコ、アフリカ、アース・ウインド&ファイア(知らないけど)など色々な音楽的要素を取り入れている。

『Von Freeman's 75th Birthday Celebration』(Half Note)は98年、NYでのライヴ。文字通り、チコの親父ヴォンの誕生日記念として親子でテナーを共演していて、ロリンズの「Tenor Madness」なんかも演奏している。ダイアン・リーヴスも参加している。

『Oh, By The Way...』(double moon)は2001年。昔からの仲間のピアニスト、ヒルトン・ルイスや、やはりフラメンコ・ギターと共演している。

『Out Of Many Comes The One』(Arabesque)が2006年の最新作。これもサウンドが多彩で、何人もヴォーカルを参加させている。一聴してポップスアルバムのようだ。確かドン・プーレンの死を悼んだ「A Teardrop in the Rain」が、最近のものでは割といい『Focus』(Contemporary)や、上に書いた親父の誕生日ライヴに続き演奏されていて、しみじみとする。

どれもサウンドとしてとてもまとまっていて、完成度が高い。しかし、どれも決定的に緊張感を著しく欠いている

チコのテナーは端正で音に深みがあり、コード進行に沿ったインプロヴィゼーションも破綻しない。その意味で、過去の作品から一貫しているとは言うことができると思う。だから、これらのCDから聴こえてくる音楽全体はまったく趣味でないのだが、チコのソロが聴こえるだけで嬉しいのである。しかし、もう挑戦とか既存世界の破壊とかいった点では、終った人なのかとも感じる。親父のヴォンが、音を外したりソロの収拾がつかなくなったりするが、実のところチコよりも人間的な感じがして魅力的なことが多々あるのとは対照的だ。

でも新作が出たら、また聴くんだろうな。