タムロンの単焦点レンズは、90mmマクロ以外、ほとんど埋もれた存在だと思う。この35mmF2.8というレンズもあまりにも地味だが、独特の鏡胴の形といかにもレトロフォーカスなレンズの形が、なんともいえない存在感をかもし出している。ベッサフレックスに装着して覗くと、後ボケが汚いなあと感じるが、出来上がりはそうでもない。しかし、歪曲がかなり目立つ。浦安にある海の神を祀った清龍神社、土台が曲っているのでなく、眼が曲っているのである。
Bessaflex+Auto Tamron 35mmF2.8
プラタナスに寄り添うキダチアロエ(2008年2月) Bessaflex、Auto Tamron 35mmF2.8、Provia 100、DP
浦安の清龍神社(2008年2月) Bessaflex、Auto Tamron 35mmF2.8、Provia 100、DP
同じ日に、東独カール・ツァイス・イエナのM42レンズ、ゾナー135mmF3.5をペンタックスSP500に装着して、小石川後楽園に梅を見に行ってきた。レンズを2本持つときは、焦点距離が離れた組み合わせのほうが気分を変えやすくて好みなのだ。ゾナーが地味レンズかというと異論もあろうが、いまや135mm単焦点なんて地味のレッテルを貼っていいに違いない。
このゾナーは色も地味である。特筆すべき点は、後ボケがひどくにぎやかなことだ。別に個性だと思えば、楽しくはあっても嫌ではない。しかし不思議なのは、人の顔をフレーム一杯に写すような、最短撮影距離1メートルくらいの撮影結果をみると、わりに後ボケが綺麗なのである(単にボケ量が大きくなった結果だろうが)。人に優しいレンズなのだということにする。
Honeywell Pentax SP500+Carl Zeiss Jena Sonnar 135mmF3.5
小石川後楽園の梅(2008年2月) Pentax SP500、CZJ Sonnar 135mmF3.5、Provia 100、DP
小石川後楽園の梅(2008年2月) Pentax SP500、CZJ Sonnar 135mmF3.5、Provia 100、DP