先日ライヴハウス「七針」で、ドラマーの大沼志朗氏と話をしていて、そういえば大沼さんのプレイを前回聴いたのはもう10年以上前、高木元輝さんとの共演だ、と伝えたところ、いろいろと高木氏の逸話を語ってくれた。
そして、この間、家を整理していたら、随分前に共演したテープが出てきたんだよ、スゲー良いんだよ、との仰天する話。程なくして、そのテープを送ってくださった。
高木元輝(ss, ts)
Danny Davis(as, fl)
大沼志朗(ds)
松本「彗星倶楽部」にて、1984年12月8日録音
ダニー・デイヴィスはサン・ラのグループに長く所属したプレイヤーで、妙な押し出しの強いサックスを吹いている。それに高木元輝の野蛮なテナーサックス、大沼志朗の大きな波のようなシンバルが絡んでいく。大沼氏に聞いた通り、凄い記録だ。
高木元輝のテナーサックスに接するたびに、圧倒されつつ何か割り切れないような思いを抱く。野太いといえばそれまでだが、強烈な臭気を放つ獣のようであり、また外からの攻撃をものともしない甲殻類のようでもあり、しかし人間くさく優しいアジア・ブルースでもある。ソプラノサックスになると、ロジカルな感じというのか、内省的というのか、また違った印象を受ける。
いや何ともこれは・・・。
高木元輝+大沼志朗、2000年 Pentax MZ-3、FA50mmF1.4、TMAX3200、フォルテ・ポリウォームトーンプラスRC、2号フィルタ使用
●参照
○加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『滄海』
○加古隆+高木元輝+豊住芳三郎『新海』、高木元輝+加古隆『パリ日本館コンサート』
○豊住芳三郎+高木元輝 『もし海が壊れたら』、『藻』
○高木元輝の最後の歌
○広瀬淳二+大沼志朗@七針