アーチー・シェップ+ヨアヒム・キューン『WO! MAN』(Archie Ball、2011年録音)を聴く。
Archie Shepp (sax)
Joachim Kuhn (p)
おそらく今のところ、アーチー・シェップの最新作。ヨアヒム・キューンとのデュオならば、ふたりとも憎からず想っているわたしが聴かないわけにはいかない。
しかし、駄作とか凡作とか言うつもりは(あまり)ないのだが、どうも何らかの突破力を見出すことが難しい。シェップのブロウはこれまで通りの音色ながら、底なしの深いブルースはそこにはない。キューンの先鋭性もない。ふたりとも、自分自身の真似をしているようにさえ聞こえてくる。
キューンのピアノとのデュオであれば、オーネット・コールマンと組んだ『Colors』(1996年録音)などは遥かにハチャメチャで、かつ美しく、痺れる作品だったぞ。まあ、リラックスした巨匠同士の交歓とでもみなすべきか。
●参照
○アーチー・シェップ『The Way Ahead』
○『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド
○アーチー・シェップの映像『I am Jazz ... It's My Life』
○イマジン・ザ・サウンド