Sightsong

自縄自縛日記

『Number』のイーグルス特集

2013-11-16 21:59:44 | スポーツ

『Number』(文藝春秋)の毎年恒例、日本シリーズ号。今回は当然、イーグルス特集である。

昔はジャイアンツが負けたときの号を買わなかったりもしたが、もう大人、そんな行動は取らないのだ。モンゴルから帰国後、成田空港の売店でいそいそと入手し、さっそく読みながら帰った。

今シリーズのクライマックスは、やはり田中投手にジャイアンツが今年初めて「土をつけた」試合だった。バンコクの大阪居酒屋「432゛」(「しみず」と読む)で、飲み食いしながら、ほぼ最初から最後まで観戦した。

もちろん試合そのものはドラマチックで面白かった。しかし、田中投手にあそこまで投げさせたことは嫌な驚きだった。ある程度予想していたことではあるが、やはり、翌日の新聞には、「本人がいくと言ってきかないし、日本最後の登板だろうから」などという星野監督の談話が載っていた。さらに、田中投手は、翌日の優勝決定戦のリリーフ投手としても登板した。本人の昂る気持をコントロールするのが、まっとうな管理というものではなかろうか。

これもやはりというべきか、本誌でも、そのことを正当化する「熱い」記事が、巻頭に掲載されている。結果オーライならばいいというものではない。登板過多で選手寿命を縮めた投手は数多い。それとも、異議を唱えにくい雰囲気でもあるのだろうか。

対照的な記事が、今シーズンで引退した石井一久投手へのインタビューだった。石井投手は、昔から、投手の「分業制」を意識していた。

「ひたすら「わが身かわいさ」に消耗を避けたということではない。なにごとも気持ちが第一で、「強い気持ちで投げました」と投手が叫び、「魂の○○球」などとメディアも騒ぐ、その極端な精神主義への違和感がひとり分業制の実践だったのだろう。
 「自分の感じでは、男気を出す選手はケガをしやすい気がします。男気を出すよりは任されたところをしっかり抑えるほうが大事だと思うんですが」」

ところで、本誌の巻頭特集の見出しは「絶対エース、渾身の302球。」であった。

●参照
『Number』のホームラン特集
石原豊一『ベースボール労働移民』、『Number』のWBC特集
『Number』の「BASEBALL FINAL 2012」特集 
『Number』の「ホークス最強の証明。」特集
『Number』の「決選秘話。」特集
『Number』の清原特集、G+の清原特集番組、『番長日記』
『Number』の野茂特集