セシル・テイラーの映像ヴィデオ『Burning Poles』(Mystic Fire、1991年)を再見する。随分前に、VHSで入手した。
Cecil Taylor (p)
William Parker (b)
Tony Oxley (ds)
André Martinez (ds, perc)
全員がパーカッションや笛をそろそろとかき鳴らす中、テイラーのポエトリー・リーディングがはじまる。それは「Sun! Iron!」といったタームのみであったり、叫びであったりする。
やがてテイラーはピアノを弾きはじめる。それがヒートアップするまでに時間はかからない。地霊を呼び起こすようであったり、天と地の間を跳躍し続けたり、クリスタルの大伽藍を構築するようであったり。しかしながら、テイラーのプレイは定型を徹底的に拒絶しており、これをテイラー節と呼ぶべきなのかどうか。彼の両手が鍵盤の上を縦横無尽に動き回る様は、息を呑んで凝視し続ける他はないものだ。
ウィリアム・パーカーは、テイラーの速度がアップすると、弓から指へとギアを切り替える。トニー・オクスレーが繰り出すさまざまな破裂音も素晴らしい。ふたりとも、パーカーに対峙し、狩人のような鋭い眼をみせる。
今晩、テイラーのパフォーマンスを観に行く。わたしにとっては、ベルギーのアントワープでオクスレーとのデュオを観て以来、9年ぶりである。何が繰り広げられるのか、楽しみでならない。
セシル・テイラーとトニー・オクスレー、アントワープ Leica M3, Summitar 50mm/f2.0, スペリア1600
●参照
○ドミニク・デュヴァル+セシル・テイラー『The Last Dance』(2003年)
○セシル・テイラー『The Tree of Life』(1991年)
○セシル・テイラー『In Florescence』(1989年)
○1988年、ベルリンのセシル・テイラー
○セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(1979-86年)
○イマジン・ザ・サウンド(セシル・テイラーの映像)(1981年)
○セシル・テイラー『Dark to Themselves』(1976年)、『Aの第2幕』(1969年)
○セシル・テイラー初期作品群(1956-62年)