チック・コリア+ジョン・マクラフリン「Five Peace Band」のDVD『"It's About That Time!"』(2008-09年)を観る。
Chick Corea (p, key)
John McLaughlin (g)
Kenny Garrett (as)
Christian McBride (b)
Vinny Colaiuta (ds)
Brian Blade (ds)
・・・なんだこれは。明らかに観客席から揺れるカメラで撮っている。こんなものパッケージにして売るんじゃない。
メンバーはこの通り豪華なのだが、コリアとマクラフリンがにこにこしながらデュオで「Someday My Prince Will Come」を演奏していたりして、新しいものを展開しようとする緊張感が皆無。東京でのインストアライヴはちゃんと撮ったものを使っているようだが、これもデュオで手慣らしのような演奏。もはやどうでもいい感じである。観ながら眠ってしまった。誰か欲しければ差し上げます。
「彼の演奏はいつも好きだった。少なくともクロスオーバーの方向に踏み出して、電子音楽に手を染めるまでは。電子音楽はわたしの趣味に合わないので、結局、その気持ちに正直に、名ピアニストが空虚なフュージョンに転向してしまったのを嘆くことにした。チックのファンの怒りを買わないのはわかっている。彼のファンは、誰も『ブルーノート』など読まないのだから。しかし、せめてジャズの現状をひとくさり批判することができるだろう。」(ビル・ムーディ『脅迫者のブルース』)
見どころは、ブライアン・ブレイドやヴィニー・カリウタのドラムスか。わたしにとっては、ケニー・ギャレットもかつて真剣勝負からスムースな音楽に移っていった人であり、いま「レジェンド」扱いされることもピンとこないのだが、これは偏見だろうね。
●参照
チック・コリア、ジョン・パティトゥッチ、ヴィニー・カリウタ
映像『Woodstock Jazz Festival '81』