Sightsong

自縄自縛日記

トム・ハレル@Cotton Club

2015-06-26 00:01:48 | アヴァンギャルド・ジャズ

トム・ハレルの「Trip」バンドを観るために、Cotton Clubに足を運んだ(2015/6/25 2nd set)。会場はほぼ満員。

Tom Harrell (tp, flh)
Mark Turner (ts)
Ugonna Okegwo (b)
Adam Cruz (ds)

いままで録音に接してもピンとこなかったマーク・ターナーのテナーサックスだが、こうして聴いてみると、実はたいへん個性的なプレイヤーであることを実感した。スモーキーな音色。これ見よがしに目立つ音は出さない。しかし、微妙なトーンの変化が非常に豊かであり、それらが連続的なフレーズの橋渡し役を担っている。「その手」のスムースさではなく、スムースである。北澤敏さんの記事にある通りなのだ。

そして感動的なことに、そのターナーは、ハレルの引き立て役に徹している。ハレルのフリューゲルホーンは雲の中にいるようにくぐもっていて、トランペットはより明晰。小節の後ろから入っていく独特の節回しと、一瞬ハラハラしてしまう、間。また心の底から感情を巻き上げられてしまう。

最後は、この4月にNYのVillage Vanguardで聴いたときと同じく、「There Will Never Be Another You」。

●参照
トム・ハレル@Village Vanguard(2015年)
トム・ハレル『Trip』(2014年)
トム・ハレル『Colors of a Dream』(2013年)
デイヴィッド・バークマン『Live at Smalls』(2013年)