セシル・テイラー『Michigan State University, April 15th 1976』(Hi Hat、1976年)を聴く。
Cecil Taylor (p)
Jimmy Lyons (as)
David S. Ware (ts)
Rache Malik (tp)
Marc Edwards (ds)
名盤『Dark to Themselves』の2か月前の記録であり、メンバーも同一。
いま聴くと、デイヴィッド・S・ウェアのテナーサックスが意外なほどスムーズに耳に入ってくるが、これは嬉しい発見かもしれない(実は割と避けて通ってきていた)。
それはともかく、エドワーズがどすどすとボディーを叩きまくる中、ウェア、ライオンズ、マリクが白髪一雄的な泥水と血の奔流を現出させ続ける。それはやはり圧倒的なのであって、ジッとして聴いていると、下流のどこかにあっという間に流されてしまいそうだ。そしてセシル・テイラーは幻の空中楼閣を、絶えず奔流の上に構築しては、その腕で自ら叩き壊す。聴く者の血は泡立つばかりなのである。
●参照
セシル・テイラー+田中泯@草月ホール(2013年)
ドミニク・デュヴァル セシル・テイラーとの『The Last Dance』(2003年)
セシル・テイラー+ビル・ディクソン+トニー・オクスレー(2002年)
セシル・テイラーの映像『Burning Poles』(1991年)
セシル・テイラー『The Tree of Life』(1991年)
セシル・テイラー『In Florescence』(1989年)
1988年、ベルリンのセシル・テイラー
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(1979~1986年)
セシル・テイラー『Dark to Themselves』(1976年)、『Aの第2幕』(1969年)
ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ(1968年)
セシル・テイラー初期作品群(1950年代後半~60年代初頭)