Sightsong

自縄自縛日記

ジョー・モリス+アグスティ・フェルナンデス+ネイト・ウーリー『From the Discrete to the Particular』

2016-08-23 01:16:20 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョー・モリス+アグスティ・フェルナンデス+ネイト・ウーリー『From the Discrete to the Particular』(Relative Pitch Records、2011年)を聴く。

Joe Morris (g)
Agusti Fernandez (p)
Nate Wooley (tp)

ここでは珍しく、ネイト・ウーリーが激しいトランペットを吹く。常に自覚的でいて、演劇的とも思えるような宙ぶらりん感のあるウーリーではない。熱をダイレクトに即興に反映し、泡立つような音も頻繁に発する。

そのウーリーとフェルナンデスとが熱いイントロを繰り広げるところに、ジョー・モリスが、おもむろに、凄まじい強度で介入してくる。シングルトーンでうねうねと弾きまくるモリスは、音のひとつひとつも鋼線のように強靭であり、何度聴いても驚いてしまう。

アグスティ・フェルナンデスのピアノも発する音圧が強く、また、表現が巧みで多彩である。プリペアドの強度はキース・ティペットにだって匹敵する。

こうみると、誰がということもなく、それぞれが主役である。肩肘のはったモリスもウーリーもいいものだ。

●ジョー・モリス
ジョー・モリス@スーパーデラックス(2015年)
ジョー・モリス+ヤスミン・アザイエズ@Arts for Art(2015年)
『Plymouth』(2014年)(モリス参加)
ジョー・モリス『solos bimhuis』(2013-14年)
ジョー・モリス w/ DKVトリオ『deep telling』(1998年)

●ネイト・ウーリー
ネイト・ウーリー+ケン・ヴァンダーマーク『East by Northwest』、『All Directions Home』(2013、15年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
アイスピック『Amaranth』(2014年)
ネイト・ウーリー『Battle Pieces』(2014年)
ネイト・ウーリー『Seven Storey Mountain III and IV』(2011、13年)
ネイト・ウーリー+ウーゴ・アントゥネス+ジョルジュ・ケイジョ+マリオ・コスタ+クリス・コルサーノ『Purple Patio』(2012年)
ネイト・ウーリー『(Sit in) The Throne of Friendship』(2012年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)