ちょっと前には予想もできなかった、カープとファイターズとの日本シリーズ。
25年前にカープが優勝したときはライオンズと日本一を争った。カープの主軸はいまひとつ迫力不足で、4番は西田だったりアレンだったりしたが、そのアレンも4番なのに代打を出されたりした。佐々岡がいいところまでノーヒットピッチングを見せた。川口が大活躍したが、この「ひとりの調子が良い投手を使いまくる」伝統は、その後のスワローズの川崎や岡林にも見られた。北別府は結局日本シリーズでは勝てなかった。懐かしいな。
それにしても、広島にとっては、オバマ大統領が来たりカープが優勝したりと大変な年だったわけである。できれば、カープに勝って欲しかった。
今回ちょうど入院していて、第3戦から4試合をテレビでフル観戦できたのだが、全部ファイターズが勝ってしまった。すべて面白いゲームだった。中でも白眉は黒田博樹が先発した第3戦。黒田の経験値や凄みも、大谷が化け物であることを証明したサヨナラ打もきっと忘れないだろうね。いや~、野球っていいものですね。
そんなわけで、毎年恒例の『Number』日本シリーズ特集号を買ってきて、それぞれのゲームを反芻するように読んでいる(最初にこの雑誌を読んだのは、1989年にジャイアンツがバファローズを破って日本一になったときの特集号だった。表紙は駒田だった)。概ね、カープの采配も選手の動きも、最初の2試合に勝ってしまったために、守りに入ってしまい、その後はカープらしさを見せることができなかったのだとする論調であり、まあそうなのだろうなと思う。ただ黒田がさすがの存在感を見せつけた第3戦で、カープが勝っていたとしたら、またその後の展開は違ったものになったに違いないのだ。結果ありきの言説の限界である。
●参照
『Number』のイーグルス特集(2013年)
『Number』のホームラン特集(2013年)
石原豊一『ベースボール労働移民』、『Number』のWBC特集(2013年)
『Number』の「BASEBALL FINAL 2012」特集(2012年)
『Number』の「ホークス最強の証明。」特集(2011年)
『Number』の「決選秘話。」特集(2011年)
『完本 桑田真澄』(2010年)
WBCの不在に気付く来年の春(2009年)
『Number』の清原特集、G+の清原特集番組、『番長日記』(2009年)
『Number』の野茂特集(2008年)