Sightsong

自縄自縛日記

シャーリー・クラーク『ザ・コネクション』

2016-11-29 12:38:05 | アヴァンギャルド・ジャズ

シャーリー・クラーク『ザ・コネクション』(1961年)を観る。

同じクラークの『Ornette: Made in America』と同じときにDVDとしてリリースされた。『Ornette』ほど珍しいものではなかった(以前はアメリカVHS版で持っていた)が、英語字幕や特典映像なども収録され、しっかり観たかったので嬉しいことだった。

ジャズファンには、この映画のサントラのように出されたフレディ・レッドのアルバム『The Music from "The Connection"』(1960年)の方が有名である。メンバーは、フレディ・レッド(ピアノ)、ジャッキー・マクリーン(アルトサックス)、マイケル・マトス(ベース)、ラリー・リッチー(ドラムス)。映画でもかなりの時間を割いて演奏している。

とは言え、これは劇映画なのであって、この4人のミュージシャンもそれなりに演技をしている(特にマクリーン)。もっとも、ヘロイン中毒患者たちがカメラに向かって「自然に演技をしろ」と言われて騒ぐだけの映画であり、大したものではない。大袈裟に言えばメタ映画、映画のための映画のようなものだが、そこまで持ち上げなくてもよい。

映画監督のジム役の俳優が当時を振り返った特典映像が付いていて、かれによれば、シャーリー・クラークは完璧主義者で何度も演技をやり直させたのだという。同時代のジョナス・メカスも日記においてクラークのことをときどき評価しているが、いま観て納得できるような要素はない。『Ornette』の価値も記録としてのものではないかと思うがどうか。

●参照
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 再見(1985年)
シャーリー・クラーク『Ornette: Made in America』 オーネット・コールマンの貴重な映像(1985年)
アルド・ロマーノ『New Blood Plays "The Connection"』(2012年)
ジャッキー・マクリーン『The Complete Blue Note 1964-66 Jackie McLean Sessions』(1964-66年)
ジャッキー・マクリーン『Let Freedom Ring』(1962年)
ジャッキー・マクリーンのブルージーな盤(1956、59年)