Sightsong

自縄自縛日記

クリス・ポッター『The Dreamer is the Dream』

2017-06-22 23:06:48 | アヴァンギャルド・ジャズ

クリス・ポッター『The Dreamer is the Dream』(ECM、2016年)を聴く。

Chris Potter (ts, ss, bcl, cl, fl, ilimba, samples)
David Virelles (p, celeste)
Joe Martin (b)
Marcus Gilmore (ds, perc)

まるでケニーGかというようなスムースなサックス。いや別に腐しているわけではないのだが、入り方も音符のつなぎ方も徹底的にスムースであり、カッティング・エッジな音波ではない(物理的にも、比喩としても)。

それでいて聴いていてもまったく退屈にならず聴き惚れてさえしまう、クリス・ポッターの不思議。すんごく巧いんだろうな。

衝撃波でこちらの脳蓋を揺らしてくれなければ困るのだが(何が?)、それでもアレンジもソロもすみずみまで気が行き届いた音楽。なんど繰り返して聴いていても飽きない。しかしやっぱり、多少でもキテレツなほうが・・・。

●クリス・ポッター
『Aziza』(2015年)
クリス・ポッター『Imaginary Cities』(2013年)
ポール・モチアンのトリオ(1979、2009年)
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』(1996年)


エルヴィン・ジョーンズ『At Onkel Pö's Carnegie Hall Hamburg 1981』

2017-06-22 07:09:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

エルヴィン・ジョーンズ『At Onkel Pö's Carnegie Hall Hamburg 1981』(Jazzline、1981年)を聴く。

Carter Jefferson (sax)
Dwayne Armstrong (sax)
Fumio Karashima 辛島文雄 (p)
Marvin Horne (g)
Andy McCloud (b)
Elvin Jones (ds)

ジャズ・マシーンのライヴ発掘盤2枚組、しかも辛島文雄参加となれば聴かないわけにはいかない。『ピラニア』でのエルヴィンとの共演が1975年だから、もうその6年後である。

一聴して、さほど特筆すべきこともない。辛島さん以外のサイドメンは初めて聴くのだが、あまり個性を見出せない。来日時も、ジャズ・マシーンには大物も入れつつも期待の若手も参加させたりしていたのであり、他国でもそうだったのだろうか。

とは言え、エルヴィンのソロが鼓膜に届くとそれは嬉しいものである。はじめて新宿ピットインで観たとき最初の一音で心臓がでんぐり返った、そのインパクトは忘れることはない。この盤では「Antigua」でのドラムソロにテンションが高まる。

また、ピアノのバックで叩くエルヴィンのブラッシュワークの見事さはさまざまな盤で聴くことができるわけだが、ここでも、サックスが吹かず辛島さんのピアノを大きくフィーチャーした「My One and Only Love」での演奏では、その大きな姿を想像してしまう。

「花嫁人形(Doll of the Bride)」が「橋の人形(Doll of the Bridge)」と誤記されているのはご愛敬。

●エルヴィン・ジョーンズ
エルヴィン・ジョーンズ(1)
エルヴィン・ジョーンズ(2)
チコ・フリーマン『Elvin』(2011年)
ベキ・ムセレク『Beauty of Sunrise』(1995年)
ミシェル・ドネダ+エルヴィン・ジョーンズ(1991-92年)
ソニー・シャーロック『Ask the Ages』(1991年)
エルヴィン・ジョーンズ+田中武久『When I was at Aso-Mountain』(1990年)
エルヴィン・ジョーンズ『Live at the Village Vanguard』(1968年)、ジョージ・コールマン『Amsterdam After Dark』『My Horns of Plenty』(1978、1991年)
アルバート・マンゲルスドルフ『A Jazz Tune I Hope』、リー・コニッツとの『Art of the Duo』(1978、1983年)
高橋知己『Another Soil』(1980年)
菊地雅章+エルヴィン・ジョーンズ『Hollow Out』(1972年)
フィニアス・ニューボーンJr.『Back Home』(1969年)
藤岡靖洋『コルトレーン』、ジョン・コルトレーン『Ascension』(1965年)
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(1965、1995年)
マッコイ・タイナーのサックス・カルテット(1964、1972、1990、1991年)
『Stan Getz & Bill Evans』(1964年)
ソニー・シモンズ(1963、1966、1994、2005年)