東北沢のOTOOTOに足を運び、池田謙+秋山徹次デュオ(2017/6/24)。
Ken Ikeda 池田謙 (electronics)
Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)
池田謙さんのシンプルな構成にみえるエレクトロニクスから、OTOOTOの室内に、細やかでちらちらと光る音が撒かれる。空にではなく、目の前に、足許に、たくさんの星がちらちらと瞬く。みんなが黙りこくっている空間に、埃のような星どもが人知れず闖入してきたわけであり、たいへんな緊張感もその場を支配する。
そして池田さんの前に置かれた長い棒。これを池田さんは静かに触ったり擦ったりする。どうやらピッチを制御している棒のようであり、身じろぎしない者たちにとっての時間も空間も静かに歪む。
秋山徹次さんはギターの弦にさまざまな方法から近づき、はじきこする。リスナーとプレイヤーとが共有する神経回路があって、シグナルがシナプスに届き、ちらちらと光る星となってあらわれる。その都度、秋山さんのギターが光を捕捉し、増幅してくれるようなのだった。
(ところで前回、もよりの東北沢駅に早く着きすぎたのに休憩場所がなにひとつなく、公園のベンチに座り文庫本を読んで時間が経つのを待った。じつはその後、駅前に、カフェがひとつできたそうである。めでたしめでたし。)
Fuji X-E2、XF35mmF1.4