今年久しぶりに来日するサインホ・ナムチラック。彼女がサックス奏者とのデュオで録音したディスクは、わたしの知る限り3枚ある。
姜泰煥+サインホ・ナムチラック『Live』(Free Improvisation Network Record、1993年)
サインホ・ナムチラック+ネッド・ローゼンバーグ『Amulet』(Leo Records、1992-1995年)
エヴァン・パーカー+サインホ・ナムチラック『Mars Song』(Victo、1996年)
それぞれサックス奏者の個性があらわれていて面白い。ネッド・ローゼンバーグのドライなフラグメント、エヴァン・パーカーの奔流、姜泰煥の情の濁流。とりわけサインホがその声の多彩さをもっとも発揮し、共演としてももっとも高水準なものは、姜泰煥との共演盤だと思っている。
しかし、最近の作品を聴くと、サインホの声は、これらの作品において聴ける突き刺すようなものではなく、もっと熟してまろやかなものになっているのではないかと感じる。ライヴが楽しみだ。
Kang Tae Hwan 姜泰煥 (as)
Sainkho Namtchylak (vo)
Sainkho Namtchylak (vo)
Ned Rothenberg (as, bcl, shakuhachi)
Evan Parker (ss, ts)
Sainkho Namtchylak (vo)
●サインホ・ナムチラック
サインホ・ナムチラック『Like A Bird Or Spirit, Not A Face』(2016年)
サインホ・ナムチラック『TERRA』(2010年)
サインホ・ナムチラックの映像(2008年)
モスクワ・コンポーザーズ・オーケストラ feat. サインホ『Portrait of an Idealist』(2007年)
テレビドラマ版『クライマーズ・ハイ』(2003年)(大友良英+サインホ)