ハリス・アイゼンスタット『Recent Developments』(Songlines、2016年)を聴く。
Anna Webber (fl)
Sara Schoenbeck (bassoon)
Nate Wooley (tp)
Jeb Bishop (tb)
Dan Peck (tuba)
Brandon Seabrook (banjo)
Hank Roberts (cello)
Eivind Opsvik (b)
Harris Eisenstadt (ds)
ハリス・アイゼンスタットの作曲の雰囲気も、繊細で緻密なドラミングも貢献しているのだと思うが、爽やかなほどの自遊空間の中で、明らかに、各演奏者が曲と即興の両方を愉しんでいる。こんな感じの縛り方と解放はとても良い。
弦と管とが重なり合う快感がある。また、ブランドン・シーブルックが執拗に同フレーズで攻め、ハンク・ロバーツが色気のあるピチカート、アイヴィン・オプスヴィークが上品によれてみせる弦3人の絡まりあい(5曲目)なんてとても素敵である。ネイト・ウーリーのトランペットは静かではあってもストイックな抑制ではなく、むしろ愉しみを忍び笑いのように隠していたりして、このように広々とした音楽空間にも向いているように思える。ダン・ペックのチューバが下でラインを作り、その上でアンナ・ウェバーがひゅううと伸びていくフルートを吹く時間もまた良い(9曲目)。
そして気が付くと、アイゼンスタットがドラムやシンバルを肌理の細かいタッチで響かせている。
●ハリス・アイゼンスタット
ハリス・アイゼンスタット『On Parade In Parede』(2016年)
ハリス・アイゼンスタット『Old Growth Forest』(2015年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
ザ・コンバージェンス・カルテット『Slow and Steady』(2011年)